「これがハルト君のポケモン……なんだかクワッスに少し似ているような……?」
「実際、クワッスの最終進化系だからね。ミライドン、 ユウ達をお願い。バトルは僕達がやるから」
「ギャス」
ミライドンが返事した後、ハルトとウェーニバルは並び立ち、 ウェーニバルはハルトをチラリと見た。
「ウェニ」
「……うん、やろう。そして見せよう、キミの華麗なステップを。ウェーニバル、アクアステップ!」
「ウェバッ!」
ウェーニバルは返事をした。その瞬間、足は水をまとい始め、その姿にヘルガー達が警戒する中、ウェーニバルはデルビルの内の一匹の目の前に瞬時に移動して水をまとった一撃を与えた。
「デッ!?」
弱点である水タイプの技を受けたデルビルは上へと跳ね上げられ、それにヘルガー達が驚く中でデルビルは一匹また一匹とアクアステップの一撃で倒されていった。そして、ヘルガーだけになった時、ユウは何かに気づいた様子を見せた。
「ウェーニバルの動き、なんだか速くなってる……?」
「そうだよ。このアクアステップは使う度に速くなる技で、同じ効果を持つ技で炎タイプのニトロチャージというのがあるね」
「バトルチュウニカイセツトショウカイマデ……ハルト、ヨユウアリスギダシ……」
「ウェーニバルのおかげだけどね。さあ……これで終わりにしよう。ウェーニバル、アクアステップ!」
「ウェニバ!」
ウェーニバルは返事をすると、アクアステップの効果で上がった速さによってヘルガーが反応するまでもなく移動し、そのアゴを力強く蹴り上げた。
「グルゥ!?」
アゴをけり上げられたヘルガーはそのまま宙を舞い、そのまま砂の上に落下した。そしてヘルガーは傷だらけの体をで立ち上がろうとしたが、すぐにガクリと崩れ落ち、デルビル達もひんし状態になった事で目を回し始めた。
「よし、終わり。ウェーニバル、お疲れ様」
「ウェニ」
「あ、あんなにすぐに勝っちゃった……」
「カンゼンニバトルナレシラルカンジダッタシ。キオクウシナウマエハスゴイトレーナーダッタシ?」
「あはは、どうだったんだろうね。今のバトルだってこうすれば良いはずって思っただけだから」
ハルトが笑いながら言っていた時、デルビル達はハルトとウェーニバルを見ながら怯えた様子を見せ、それを見たヘルガーは再び立ち上がると、ボロボロの体のままでデルビル達をかばうようにして立ちはだかった。
「ルガァッ!」
「ヘルガー……デルビル達を守ろうと……」
「ヘルガー達からすれば、いきなり来たのは僕達だからね」
ユウ達に対して唸り声を上げながら警戒心を強めるボロボロのヘルガーを前にしたユウの足をホムラはポンポンと叩いた。
「カゲ」
「ホムラ、どうしたの?」
「カゲ、カゲカゲカゲカ」
「オワビノシナヲアゲルハルドウカトイッテルシ」
「お詫びの……あ、それじゃあ……!」
そう言うと、ユウはバスケットを再び開いて中からサンドイッチを二つ取り出し、そのままヘルガーに近づいた。
「ちょ、ちょっとユウ!?」
「大丈夫、このくらいへっちゃらだよ」
静かに言うと、ユウはそのままヘルガーに近づき、吠えられるのにも怯まずに目の前で足を止めた。
「グルルル……!」
「いきなり襲ってごめんね。でも、僕達はここを通りたいんだ。だから、通らせてもらうよ。その代わり、この作り過ぎてた分をあげるよ。ネモ達には黙ってたけど、人数分だと思ってたら作り過ぎてたみたいだからさ」
「グルルル……」
「キミ達の口に合うと良いけれど.....」
不安そうに言いながらユウがサンドイッチを差し出すと、ヘルガーは軽く匂いを嗅いだ。そして危険物ではないと判断したのか二つとも咥えると、そのままデルビル達の元へ持っていき、目の前に置いた。
「ルガァ」
「デル……」
デルビル達は一瞬迷ったもののヘルガーの目を見ると、揃って頷いてから一つを二匹で分け、ユウ達の目の前でガツガツと食べ始めた。