「楽しくは良いとして……向こうはまだまだ余裕があるみたいだね」
「ダシ。タイプアイショウハワルクトモ、カクトウタイプノワザハクロハニモンダイナクキクシ、ムコウハスデニスバヤサガアガッテルジョウタイダシ。ダカラ、ネモカラスレバアセルヒツヨウモソンナニナイシ」
「ヒバニーが相性の良い技を持っていたら目も当てられなかったね。でも、それがないなら……」
「コッチダッテデキルコトハオオイシ。ユウ、ヒルマズニガンガンイクシ!」
「うん! クロハ、ついばむ!」
「シド!」
クロハはくちばしを光らせながらヒバニーに近づく。そして攻撃を仕掛けるために勢い良くくちばしを突き出した。
「そのスピードじゃヒバニーには追い付けないよ! ヒバニー、避けてからにどげり!」
「ヒバッ!」
クロハのくちばしをヒバニーは軽やかに避けると、間髪入れずにクロハの頭部に二撃加えた。
「ヒバッ! ヒッバ!」
「オト! オトッ!」
「くっ……やっぱりあのスピードが厄介だね」
「イッカイイッカイノコウゲキハマダチイサクテモ、チリモツモレバヤマノヨウナダメージニナルシ。クワエテ、アッチハサラニスピードモアゲラレルシ。ユダンシテイルトスグニバトルヲオワラセラレルシ。チュウイスルシ」
「うん。でも、ここからどうすれば……」
ユウが迷いを見せると、シュリは小さく息をついた。
「ナラ、ココカラハシュリガイクシ。クロハ、マズハいちゃもんダシ!」
「オト!」
クロハはヒバニーに顔を近づけると、捲し立てるように鳴き声を上げた。それに対してヒバニーがタジタジになると、ヒバニーは紫色の光を帯び始めた。
「いちゃもん……たしか同じ技を連続で使えなくする技だよね?」
「ソウダシ。コレデレンゾクデニトロチャージヲツカッテナンドモスバヤサヲアゲルコトハデキナクナッタシ。モットモ、コレハチョットシタコザイクニスギナイシ。ダカラ、ココハドッシリカマエルシ。クロハ、いわおとしダシ!」
「オト!」
クロハが再び岩を出現させると、ネモは楽しくて仕方ないといった様子で笑みを浮かべる。
「諦めないその姿勢、本当に良いね! ヒバニー、ニトロチャージ!」
「ヒバ!」
ヒバニーは岩を避けた後、足に炎を纏いながらクロハに向けて突進した。
「ヒバヒバヒバ!」
「カカッタシ! クロハ、ついばむデヒバニーヲツカムシ!」
「オト!」
クロハがヒバニーをくちばしで掴むと、ヒバニーは驚いた様子を見せた。
「ヒバッ!?」
「なるほど……! 相手が素早いなら捕まえてしまえば良いって事だね!」
「ソウイウコトダシ。クロハ、レンゾクデつばさでうつダシ!」
「オト!」
クロハが連続でつばさでうつをすると、ヒバニーの体は徐々に傷ついていき、やがてクロハが放す頃には仰向けに倒れながら目を回していた。
「ヒバ……」
「ヒバニー、戦闘不能だね。やっぱりユウ達は侮れないなぁ……」
「僕は大したことしてないけどね。でも、これでネモのポケモンはあと一体」
「オイツメタシ! ネモ!」
「たしかにね。でも、私達だって簡単には負けないよ!」
そう言いながらネモはヒバニーをモンスターボールにしまうと、別のモンスターボールを手にした。そして手にしたモンスターボールのスイッチを押すと、そのまま天高く放り投げた。