「行くよ、ニャオハ!」
「ニャオン!」
モンスターボールからニャオハが出てくると、その姿にシュリはヒレを組んだ。
「ニャオハダシ……タイプアイショウヤオボエテルワザテキニコッチガユウリデハアルケド、ニャオハモヒバニートオナジデスピードガタダシ」
「そうなると、さっきは同じ感じで待ち構えてになるって事?」
「トリアエズハソウダシ。ケド、モンダイハニャオハノトクセイノしんりょくダシ。ピンチニナッタラクサタイプノワザノイリョクヲアゲルトクセイダカラ、タイプアイショウガワルクテモソレナリニダメージヲアタエテクルウエニムコウハテラスタルガノコッテルシ」
「向こうはって……こっちもテラスタルが──」
「ツカエナイシ。アオイトノバトルデツカッテカラ、ポケモンセンターデオーブノチャージヲシテナイシ」
「あ……」
ユウがハッとする中、ネモは苦笑いを浮かべる。
「あー……それ忘れてたんだ。そのままで良いって言うから、てっきりテラスタル無しで挑戦する気なんだって思い込んで確認してなかったよ。ごめんね?」
「うぅ……」
「ヤレヤレダシ……ケド、シュリモカクニンシテナカッタカラアマリイエナイシ。コウナッタラテラスタルナシデモカッタルシ!」
「テラスタル無し……自信はないけど、やるしかないよね。ただ、どうやって勝てば良いんだろ……」
ユウが自信なさげに言う中、シュリはユウの頭をヒレで叩き始めた。
「ナヤムヨリマズハヤルンダシ!」
「痛い! 痛いって!」
「マズ、サッキイッタヨウニウゴクシ! コッチノスピードガオソイイジョウ、ウゴキニツイテイッテタタカウノハムズカシイシ。ダカラ、ドッシリトカマエテタタカウンダシ」
「う、うん! だったらまずは……クロハ、いわおとし!」
「オト!」
ニャオハの頭上に岩が出現すると、ネモは楽しそうな笑みを浮かべた。
「いわおとしで誘き寄せようとしてるね……! でも、そうはいかないよ! ニャオハ、このはで砕いて!」
「ニャ!」
ニャオハがこのはで岩を砕くと、シュリは顎にヒレをあてた。
「フム……このはデコノテイドクダクカシ。カクジツニパワーハマエヨリモアガッテルシ」
「その上でテラスタルされたりしんりょくを発動されたりしたらだいぶ辛い事になるね……」
「ダシ。タダ、しんりょくガハツドウシテルトキハムコウモピンチノトキダシ。ダカラ、ケッテイダニナルイチゲキヲアタエラレタラソコデカチダシ」
「決定打……だったらこれで! クロハ、いわおとし!」
「オト!」
クロハが岩を出現させると、ネモは首を傾げた。
「まあいわおとし……? 何度やっても砕くだけだよ?」
「もちろんわかってるよ! クロハ、何度もいわおとし!」
「シド!」
ユウの指示に従い、クロハは幾つもの岩を落下させた。すると、クロハの体は白い光を放ち出し、ニャオハの周囲には多くの岩が一度に落下した。
「こ、これは……!」
「コレハ……がんせきふうじダシ! ユウ、コレヲネラッテタンダシ?」
「う、ううん。ニャオハを岩で囲めば何かうまくいくかなと思っただけなんだけど……」
「ソノカンガエガがんせきふうじニツナガッタワケダシ……ケド、コレナライケルシ!」
「うん! クロハ、ニャオハにがんせきふうじ!」
「シド!」
クロハはニャオハを囲むようにして更に岩石を落下させる。そして、ニャオハが岩の中に閉じ込められると、ユウはガッツポーズをした。
「よし……! これなら!」
「…………」
「シュリ、どうしたの?」
「ナンダカイヤナヨカンガスルンダシ……」
シュリが警戒する中、岩の隙間から青い光が漏れ出す。そして内側から岩が弾け飛ぶと、そこには腕を組みながら静かに立つニャローテの姿があった。