ネモの嬉しそうな顔に対してユウは悔しそうにしていたが、やがて大きく息をつくと、残念そうに笑みを浮かべた。
「僕達の負けだね。はあ……クロハもガケガニも頑張ってくれたのになぁ」
「ネモタチノガンバリガマサッタケッカダシ。タダクヤシイノハドウカンダシ。ユウ、コレカラモガンバッテイクシ」
「うん!」
ユウは頷いた後、ガケガニに近づいて軽くしゃがみこんだ。
「ガケガニ、お疲れ様」
「ガニ……」
「ごめんね、リベンジを果たしてあげられなくて。僕もやっぱりまだまだだったよ」
「ガニ、ガニガニガニ」
「ソンナコトハナイ。ガンバッテクレタノハワカッテルカラキニシナイデホシイトイッテルシ」
「ガケガニ……うん、ありがとう。そういえばこの子の性別はどっちなんだっけ?」
ユウの問い掛けに対してシュリが答える。
「コノガケガニハメスダシ」
「それじゃあこの子の名前はこれからはクララだね。カントーにはクラブっていうポケモンがいて、大きさとか生態は違うけど、ちょっと似たような姿をしているんだ」
「ソコカラトッタプラスメスノポケモンラシサヲカンガエタケッカダシ?」
「そういう事。どう……かな? 気に入ってくれたかな?」
ユウが不安そうに聞くと、ガケガニはユウを見つめてから嬉しそうに笑みを浮かべた。
「ンガニィ!」
「キニイッタミタイダシ」
「よかった……それじゃあこれからよろしくね、クララ」
「ガニ!」
クララが二つのハサミを振り上げながら鳴き声を上げていると、そこにニャローテを連れてネモが近づいた。
「ユウ、シュリ、お疲れ様。とっても楽しかったよ!」
「ネモ達もお疲れ様。やっぱりネモ達は強いね」
「今回も結構ギリギリだったけどね。ニャオハがニャローテに進化しなかったら負けてただろうし」
「タネばくだんイガイガゼンブセンセイデダセルワザナノガナカナカヤッカイダシ。モットモ、センセイコウゲキジタイヲフセグトクセイヤフィールドモアルカラ、イチガイニユウリトハイエナイシ」
「なるほどね。さて、進化出来そうな子はだいたい進化したから、これで目的は達成かな?」
「そうだね。本当はもっとバトルがしたいけど、このままここにいるわけにはいかないし、それぞれの旅をそろそろ再開しようか」
ネモの言葉に全員が頷いていたその時、シュリから小さな音が聞こえ始めた。
「オナカヘッタシ。ヤッパリアタマヲツカウトオナカガヘルシ。ユウ、ソウキュウニゴハンヲヨウイスルシ」
「それは良いけど……シュリは本当に食いしん坊だよね」
「クイシンボウデハナイシ! ソレハテイセイスルシ!」
「い、痛い! 痛いから!」
怒りを露にしたシュリにヒレで頭を叩かれてユウが声を上げる中、それを見たネモ達の笑い声がバトルコート中に響いた。