「あ、メロコさん。こんにち……あ、今だとこんばんはですね」
「どっちでも良いぜ、ユウ。それにしても、まさかお前達とこんなとこで会うなんてな。今からあのハッコウシティに行くとこだったか?」
「うん、そうだよ。メロコさんこそどうしてここに? ほのお組のみんなは大丈夫なの?」
ネモからの問いかけに対してメロコは笑みを浮かべながら頷く。
「ああ、アイツらにもしっかりと言ってから出てきたからな。それに、ちっと午前中に別の用事はあってこんな時間になっちまったが、俺もハッコウシティに用があって今から行くとこだったんだ」
「ナンノヨウジダシ?」
「他の組の奴らのとこへ色々なもんを届けに行くからその買い出しだよ。パルデアで一番デッケェのはテーブルシティだが、俺達はテーブルシティには近づきづらいからな。んで、次に色々な物がある上にほのお組のアジトに一番近いハッコウシティが丁度良いんだ」
「それでこんな時間に一人で……大変じゃないですか?」
「こんなもん屁でもねぇよ。それに、俺はスター団の中では何でも屋として通ってるからな。いつもはちっと強引に物事を解決してるが、別に穏便に終わらす事だって出来るし、スター団の中で困ってる奴がいるなら力になってやりてぇんだ」
「メロコさん……」
ユウは心配そうな表情をした後、すぐに何かを決意したような表情を浮かべてメロコの両手を握った。
「お?」
「ユウ?」
「それ、僕達にも手伝わせてもらえませんか?」
「手伝うって……まあ手分けすれば早く終わるが、本当に良いのか?」
「はい。メロコさんがスター団の人達のために頑張りたいと思うように僕もそんなメロコさんの力になりたいです。まあ時間的に流石に明日にはなりそうですけど……」
「まあな。だが、手伝ってくれるっていうなら助かる。買い忘れがねぇようにはしたいからな」
メロコは嬉しそうな笑みを浮かべた後、ユウの手によって握られている自分の手に視線を向けた。
「んで、いつまで握ってるんだ?」
「……あ! す、すみません!」
「いや、構わねぇよ。けど、ちょっと意外ではあったな。ほのお組のアジトで見た時は料理の腕は一流だったが少し弱気そうで頼りなさそうだったが、結構熱いとこあんじゃねぇか。見直したぜ」
「あはは……力になりたいという思いが前に出過ぎただけですよ。ネモとシュリも良い?」
「うん、良いよ」
「シカタナイカラテツダッタルシ。メロコ、カンシャスルシ」
シュリの言葉に対してメロコが苦笑していたその時だった。
「あれ……ユウ達?」
「え? あっ、ハルト君にアオイちゃん。それに、ミライドンとコライドンも」
「二人ともどうしたの?」
「さっきまで野生のポケモンや色々なトレーナー達と戦って、アオイちゃんのポケモンを鍛えていたんだ。ネモ達こそメロコさんと一緒にいてどうしたの?」
「あ、それなんだけど……二人とも、ちょっと良いかな?」
ユウがハルト達に近付く中、その姿を見てメロコはやれやれといった様子で首を横に振った。
「この調子だと明日は大所帯だな……」
「あはは……でも、ユウもかなり頼りになるでしょ? ちょっとおとなしいところはあるけど、料理を含めた家事がとても得意で、最近はシュリに怒られながらもバトルだって頑張ってるんだよ。それにそれに……」
「……生徒会長、お前は本当にアイツの事を気に入ってるんだな。その姿、まるで恋する乙女のようだぜ?」
「……え?」
「なんでもない。ほら、俺達も行こうぜ」
その言葉にネモは頷いたが、その表情はどこか不思議そうであり、楽しそうにハルト達と話すユウの事をジッと見つめていた。