夜、ネモ達女子組がテントの中で話をしていた時、メロコは申し訳なさそうな顔をした。
「なんだか本当にすまねぇな。明日も手伝ってもらっちまうのに飯や寝床まで用意してもらっちまって」
「あはは、気にしないでよ。それにしても、今日もユウのご飯は美味しかったなぁ……」
「ほんとにね。家庭科のサワロ先生も褒めててヌシだったポケモン達も魅了しちゃうわけだし、食べ続けられたら幸せかもね」
「その内に食べすぎて太るんじゃねぇか?」
「それは困るかもだけど、そっか……ずっと、か……」
ネモが寂しげに言う中、メロコは小さくため息をつく。
「まあ卒業後はそれぞれ進路があるからずっとってのは難しいだろうな」
「うん……メロコさんが言うようにそれぞれの進路があるからずっとユウにご飯を食べさせてもらうのが難しいのはわかるんだ。けど、なんというかそういう事じゃなくて、ユウと離れる事になるのが少し寂しい気がするんだ……」
「離れるのが寂しい、かぁ……ネモはこの中では一番ユウ君と長くいるし、やっぱり感じる寂しさは人一倍だよね」
「そうなんだけど、なんかこう……もっと違うんだよね。ユウとバイバイする事になるって考えただけで胸の奥がキューってなるというか……」
「え、それってもしかして……」
「コイノアカシダシ」
テントの入り口からシュリが顔を出すと、その姿に三人は驚いた。
「シュ、シュリ!?」
「男子組のテントにいたんじゃ……」
「ネモノヨウスガキニナルカラキョウハコッチデネルトイッテキタシ。ユウモネモノコトハシンパイシテタシ」
「ユウが……そういえばシュリ、さっき恋がどうのって言ってたけど?」
「ソノマンマダシ。シュリカラミテモネモハユウニコイヲシテルンダシ!」
「私がユウに……?」
ネモが驚く中、シュリは静かに頷く。
「マアソウナルダケノリユウハケッコウアルシ。ユウ、コロビソウニナッタネモヲシッカリトツカマエテタスケテタシカルガルトオンブマデシテタシ。
ソノウエ、フダンカラリョウリノウデガイチリュウナトコロヲシッカリトミセテキテ、チョットドジナトコロヲミセテテモツギハトリカエソウトスルハングリーセイシンヤドリョクカナトコロガアルカラソレヲミセラレタラカッコヨクミエルノモシカタナイシ」
「シュリもユウ君の事はカッコいいと思うの?」
「シュリトシテハモウスコシリリシサヤオトコラシサヲモトメタイトコロダシ。ケド、モトヌシヤさいきょうの証モチタチガナツクノモワカルシ、シュリテキニオイシイゴハンヲタベサセテクレルノハアリガタイトオモッテルシ。ソレニ、シュリノタイドニタイシテモチャントナニカイッテクレルノモポイントタカイシ」
「それなら、少しは叩くのを止めてあげたら?」
「コレモシュリナリノアイジョウヒョウゲンダカライインダシ!」
「だいぶ痛い愛情表現だな」
メロコが苦笑する中、シュリはネモに近付いて膝の上にヒレを置いた。
「イマハマダジカクハナイカモシレナイシ。ケド、スコシデモユウニタイシテコウイガアルナラソレハツタエテイクベキダシ。ユウハウブダシネモノコトハタビノナカマトシテモイセイトシテモキニイッテルノハマチガイナイカラトリアエズセメテセメテセメマクレバキットオトセルシ!」
「う、うん……」
「サテ、ソレジャアコンヤハユウコウリャクノタメニハナシアウシ!」
ネモは少し戸惑った様子だったが、アオイとメロコは笑みを浮かべながら頷き、女子組のテントは夜中まで賑やかな声で満ちていた。