ジムトレーナーの案内に従って歩いた先にはカフェや飲食店が立ち並び、ジムトレーナーはその中にあったカフェの一つを手で指し示した。
「では、ユウさんとネモさんはこちらにどうぞ。シュリさんはまた別の場所なのでこちらへどうぞ」
「ワカッタシ。フタリトモマタアトデダシ」
「うん、また後で」
「また後でねー」
シュリがジムトレーナーに連れられていくと、ネモはユウに微笑みかけた。
「それじゃあ私達も隠れようか。ふふっ」
「どうかした?」
「ううん。隠れようなんて言うと、なんだか悪い事をしようとしているようにも聞こえてちょっとおかしかったんだ。私、生徒会長なのになぁって」
「隠れる、かぁ……他の子はかくれんぼとかしてたみたいだけど、僕はそんな経験はないし、同じように何かあるから隠れるみたいなイメージかも」
「そういえば、故郷にいる子達とはあまり仲良くなれなかったんだっけ。せっかくだから隠れてる時にもう少し聞きたいな」
「うん。あ、それならあそこのカフェに行こうか。テラス席に紛れてたら程よく隠れてる事になりそうだし」
その言葉にネモが頷いた後、二人はカフェへと入り、注文した物を手にしながらテラス席に座った。
「ふう、それにしても私達が探される側になるなんてドキドキだね。三人とも、ちゃんと見つけてくれるかなぁ」
「大丈夫じゃないかな。ハルト君達はしっかりしてるし、最悪見つかりづらくてもナンジャモさん側が何かしてくれるんじゃないかな? ネモの時はどうだったの?」
「私の時は違う内容だったからなぁ……対策されないようになのかナンジャモさんのジムテストは毎回違うらしいし。ただ、私の時も配信には関わったし、番組の出演や配信に関係する事がジムテストなのかもね」
「なるほど……それじゃあ父さん達ももしかしたら観てるのかな。最近は忙しくてあまり話も出来てないけど……」
寂しげなユウを見ながらネモは納得顔で頷く。
「そういえば、ユウのお父様達も忙しいんだっけ。どんなお仕事をしてるの?」
「僕もちゃんとは知らないんだけど、なんか研究員をしてるみたいだよ。ネモのご両親は?」
「スマホロトム会社の役員だよ。それとお姉ちゃんもいるけど、私も最近は会ってないなぁ……」
「寂しくない?」
ユウの問いかけに対してネモは頷く。
「寂しいは寂しいよ。でも、寂しいからといってお父様達に我が儘なんて言えない。私がチャンピオンクラスのトレーナーだからっていうのもあるけど、お父様達を困らせたくないから」
「ネモ……」
「だから、今はスッゴク楽しいんだ。ライバルにも恵まれて、色々な友達もポケモン達もいて……ユウ、本当にありがとう」
「……こちらこそ。さて、見つけられるまでまだかかりそうだし、ジムトレーナーさんが教えてくれるまでもう少しのんびりお話をしてようか」
「うん、賛成。何を話そうかな~?」
楽しそうにするネモがする中でユウは安心したように微笑みながらそれを見ていた。