ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第百三十七話

 ユウが力強く言うと、シュリはユウの顔をジッと見つめてから深く頷いた。

 

 

「ワカッタシ。ユウ、ナンジャモタチヨリモメダッテガメンノマエノミナノモノタチヲワカセルシ!」

「ナンジャモさんの言い方が移ってるね……まあそれは良いか。ナンジャモさん、ここからは僕が行きます。ここまでは良いようにされてきましたけど、ここからは僕達のターンですよ!」

「ふ~ん? 中々やる気だねえ、ユウ氏。けど、そろそろにほんばれの効力も切れる頃なんじゃないかな?」

 

 

 その言葉と同時に陽は少しずつ陰り出し、空を見上げながらユウは真剣な表情を浮かべた。

 

 

「……麻痺と混乱状態になってる事、そしてここまでのダメージを考えると、もうサンパワーには頼れない。でも、そんな状況でも勝ってこそなんだ」

「ソノトオリダシ。ケド、ドウヤッテカツツモリダシ? コンランノダメージヲイッカイデモヒイタラ、ソノジテンデマケミタイナモンダシ。ショウジキ、コンランヲドウニカシナイトムズカシスギルシ」

「そうだね。でも、これだけは言えるよ。ホムラは自力で混乱状態から抜け出せるって」

「ナニカサクデモアルシ?」

「こうするんだよ」

 

 

 そう言うと、ユウは両手をメガホンのようにしながら口に添えた。

 

 

「頑張れ頑張れ、ホ・ム・ラ! 負けるな負けるな、ホ・ム・ラ!」

「おお?」

「……ユウ、ナニシテルシ?」

「見ての通り、応援だよ。この声に応えて、ホムラなら混乱状態から抜け出してくれるはずだから!」

「イヤイヤ、ソレデカイフクシタラアマリニモタンジュンスギルシ……」

 

 

 シュリが呆れたように言う中、ユウはホムラを鼓舞し続けた。すると、苦しそうだったホムラの表情は少しずつやる気に満ちた物に変わっていき、やがて両手で顔を叩いた後にホムラは雄叫びを上げた。

 

 

「グルォー!」

「よしっ、回復した!」

「エー……ダシ」

「麻痺はまだきついけど……行けるよね? ホムラ!」

「グルォ!」

 

 

 親指を立てながらホムラが応えると、それを見たナンジャモは愉快そうに笑い始めた。

 

 

「あっはっは! いいねいいね! その押せ押せでつよつよな姿、実に映えな感じで大バズりが見込めるよ! でも、僕だって負けてはいられないよ! ムウマージ、もういっちょあやしいひかり!」

「マージ!」

 

 

 ムウマージは返事をすると、再びあやしいひかりを放った。そしてホムラにあやしいひかりが向かっていく中、ユウは指示を出した。

 

 

「ホムラ、目を瞑って!」

「グルォ!」

 

 

 ユウの指示に従って麻痺による痺れに耐えながらホムラが目を瞑った後、それを見たナンジャモは少し悔しそうな顔をした。

 

 

「……そうやってあやしいひかりを防いでくるなんてね」

「これであやしいひかりは完全に対策出来ました! そしてナンジャモさん達がテラスタルを使ってくるなら、こっちもテラスタルです!」

 

 

 そう言いながらユウがテラスタルオーブを取り出すと、テラスタルオーブは強い光を放ち始めた。そしてユウが投げ上げたテラスタルオーブによってホムラがドラゴンタイプにテラスタルすると、その姿を見たナンジャモの頬に一滴の汗が流れた。

 

 

「これは……ちょっとまずい感じかな?」

「このまま一気に行きます! ホムラ、りゅうのはどう!」

「グルォ!」

 

 

 ホムラが気合いのこもった声を上げてからりゅうのはどうを放つと、ナンジャモは頬の汗を拭ってから指示を出した。

 

 

「ムウマージ、負けずに行くよ! チャージビーム!」

「マージ!」

 

 

 ムウマージが放ったチャージビームとホムラのりゅうのはどうは押し合いを続けていたが、それらは相殺し合った事で爆発を起こした。そして爆風の中でナンジャモとムウマージが軽く目を瞑ったその時、黒煙の向こうからホムラが飛び出した。

 

 

「えっ……!?」

「ホムラ、フルパワーでだいもんじ!」

「グルォー!」

 

 

 大きな雄叫びを上げた後、ホムラは大きく息を吸ってからだいもんじを放った。そして、だいもんじはムウマージに命中すると、ムウマージは炎に包まれながら悲鳴を上げた。

 

 

「ムウマー!」

「ムウマージ!」

 

 

 ナンジャモの声が響く中、ムウマージはフラフラとしながらそのまま落下し目を回した。

 

 

「ムマー……」

「ムウマージ、戦闘不能! リザードの勝ち! よって勝者、ユウ!」

 

 

 審判の声が響く中で、ユウ達の方へ掲げられた旗が大きくはためいた。

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