「勝てた……勝てた、勝てたよ!」
「オツカレダシ。コレデミュウツーカラノカダイモクリアダシ」
「そうだね。はあ……本当に緊張した」
「シバリヲモウケラレタジョウタイノバトルハナカナカムズカシイシ。ケド、ヤリガイハアッタシ。ツギハドンナシバリガアルノカタノシミダシ」
「もう次の話をしてるの? もう、シュリったら……」
シュリの発言にユウが呆れたように苦笑する中、そこにネモ達やナンジャモが近づいた。
「ユウ、シュリ、お疲れ様! スッゴク良いバトルだった! もう今からでもバトルしたいくらい!」
「あっはは、ネモ氏はいつだってやる気満々だね~。ユウ氏、シュリ氏、良いバトルをありがとう! 画面の前の皆の者も大盛り上がりだよ。ほら!」
そう言いながらナンジャモがスマホロトムを見せると、そこには多くのコメントが流れる配信画面が映っていた。
『
『マジで手持ち一匹で突破するとかこの挑戦者逸材過ぎるだろ!』
『ここからのジムも大変だけど、頑張れよー!』
『観戦代¥5,000』
「ほらほら~、画面の前の皆の者もユウ氏達の事を応援してくれてるよ~?」
「皆さん……応援、ありがとうございます。これからもシュリや他の皆と一緒に頑張ります!」
「シュリタチノコレカラニコウゴキタイダシ!」
シュリがヒレを立てながら言っていたその時、そこに一人の人物が近寄っていった。
「なんやオモロイ挑戦者と戦ったようやな、ナンジャモ?」
「ん? おっ、チリ氏じゃん! なになにどったの? オモダカ氏からの業務連絡?」
「いんや、ちょっと様子を見に来ただけや。この前、オモダカさんがオモロイトレーナーを見つけたって話しとったからな。それで、ハッサクさんとこの学生で近い内にハッコウシティにそのトレーナーが向かうって聞いたから見に来たんやけど……」
チリと呼ばれた前髪をツーブロックにし、後ろを長いポニーテールにした緑色の女性はユウに視線を向けた。
「さっきのバトル、じっくり見せてもろたわ。自分のポケモンを鼓舞してこんらん状態を治させたりポケモンと一緒に指示を出してバトルを進めたりするその独特なバトルスタイルも中々見ごたえあったし、連れとるポケモンも中々にオモロイ。これはバッジを集めてきた後が楽しみやな」
「バッジを集めてきた後……え、それじゃあまさか貴女は……!?」
「うん、そうだよ。この人はチリさん、ハッサク先生と同じで四天王なんだよ」
「まいど、チリちゃんやで。美人さんやけど、怖がらんといてな」
チリが笑いながら手を振る中、ユウはその姿にポカーンとした。
「え、えーと……」
「ジブンカラビジンッテイウアタリフザケテルシ……」
「それはシュリも同じなんじゃ……まあそれは良いや。ところで、チリさんは何のタイプの使い手なんですか?」
「それは内緒や。さて、それじゃあチリちゃんはもう行くわ。ほなな~」
そう言うと、チリは颯爽と去っていき、その姿をユウ達は静かに見送った。
「なんか……変わった人だったなぁ」
「チリさんは慣れると愉快な人だよ。あ、そういえば……ミュウツーはどこかで見てるのかな?」
「たぶん見てると思うけど……」
「呼んだか、お前達」
そう言いながらミュウツーが現れると、その姿にユウ達を除いた全員が騒然とした。
「なっ、ミュウツー……!?」
「ソウイエバクラベルニハハナシテナカッタシ。ソレデ、コンカイノシレンハドウダシ?」
「及第点、と言ったところか。手持ちポケモン一匹でのジムバトルはクリアしたが、まだまだ精神の弱さを感じる。その点が減点の対象だ」
「ナカナカテキビシイシ……トコロデ、ツギノミッションハナンダシ?」
「次か……それは次の戦いの際に言おう。ではな」
その言葉を最後にミュウツーは姿を消し、ナンジャモは苦笑いを浮かべた。
「あはは……ミュウツー氏は本当にクールだね。さて、ちょっと配信の件とポケモンの回復の件があるし、まずはポケセンに行こうか」
その言葉にユウ達が頷いた後、ざわつく人々の声を背にしながらユウ達はポケモンセンターに向かった。