ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第百三十九話

 ポケモンセンターに移動したユウ達がベンチに座っていると、スマホロトムを操作していたナンジャモが小さく息をついた。

 

 

「ふう、アーカイブのアップロード完了っと。いやー、さっきのバトルといいチリ氏とミュウツー氏の登場といい、見所ばかりで投げ銭が乱れ飛んでたよ」

「それはよかったです。はあ……それにしても本当に緊張したぁ……」

「中々無い状態でのバトルだったからね。そういえばメロコさん、誰かから連絡来てたみたいだけど、誰からなんだろう?」

「そうだね……やっぱりスター団の誰かじゃないかな?」

「そうっぽいよね。楽しそうな顔してたもん。ほら」

 

 

 ネモが指差した方にユウ達が視線を向けると、そこには少し申し訳なさそうにしながらも楽しそうに話すメロコの姿があり、メロコは通話を終えると、そのままユウ達の所へ戻ってきた。

 

 

「待たせたな、お前ら」

「いえ、僕達もまだ回復待ちでしたから」

「電話の相手はどなたでしたか?」

「スター団・かくとう組のボスのビワ姉だよ。ビワ姉、さっきの配信を観てたみたいで、ユウ達にすごく興味を持ってた。あと……」

「あと……?」

「お、俺も少し映ってたろ? それ見てスター団以外の学生とも仲良くしてるところを見て安心したって言ってた。ビワ姉は本当に優しいから、俺達が受け持ってる組のメンバーの事も度々気にかけてくれるんだよ」

 

 

 そう言うメロコの顔は恥ずかしさで赤くなりながらも嬉しさを隠しきれないといった様子であり、それを見たシュリはニヤニヤと笑った。

 

 

「メロコ、ウレシソウダシ」

「う、うるせぇな……まあ、買い出しで頼まれてた物については、ゆっくりで良いって言われたから、ハルトとアオイのジム戦も見届けて、校長と少し話してから向かう事にするよ」

「わかりました。それじゃあせっかくなので今スター団についてもう少し話を聞いても良いですか?」

「スター団についてか……それは別に良いが……」

 

 

 メロコが少し不安げにナンジャモに視線を向けると、ナンジャモは笑みを浮かべながら頷いた。

 

 

「ダイジョブ。それを配信のネタにはしないからさ」

「……わかった。それじゃあさっきビワ姉の話をしたから、ボスとマジボスについて話すか。まず、お前達も知っているようにスター団は五つの組に分かれてる。それで、さっき話してたのがかくとう組のボスであるビワ姉だ。ビワ姉はスポーツの特待生で入学してきて、今でも鍛練を欠かさない努力の人だ。ちょっと優しすぎるところはあるけどな。それでピーニャは知ってるだろうから、次はシュウメイについて話すか」

「シュウメイさんはどんな人なんですか?」

「なんて言うかな……自分が忍者の末裔だと信じて疑わない奴で、いつも小難しい事ばかり言ってるどく組のボスって言うのが正しいか」

「ナンカメンドクサソウナヤツダシ」

 

 

 シュリの言葉にメロコは苦笑する。

 

 

「けど、スター団では服飾担当をする程の腕があるし、俺達のこの制服やブーツを作ったのもシュウメイなんだ」

「それならユウとも話が合いそうだね。ユウ、家庭科はまんべんなく成績が良いから」

「たしかにね。それで残りは……」

「フェアリー組だな。フェアリー組のボスはオルティガ、親がアパレルブランドの経営者をしてる御曹司だ」

「え、オルティガ君!? パーティーで何度も見た事があるよ!」

「パーティー……あ、そういえばネモのご両親はスマホロトム会社の役員だったね」

 

 

 そのユウの言葉にメロコは驚いた。

 

 

「そうなのか。へー……言われてみれば、所作とか綺麗だもんな」

「あはは、あまり言わないようにはしてるんだけどね。でも、そっかぁ……オルティガ君もスター団だったのかぁ」

「結構小生意気な所は多いけどな。そして最後はマジボスなんだが、俺達は会った事もなければ声も知らない。理由はわからないが、ボイスチェンジャーで声を変えてるみたいだからな」

「ボイスチェンジャー……そういえば、カシオペアもそれっぽい声をしてたような……」

 

 

 その時、近くからパキッという音が聞こえ、ユウ達は近くにあった木へ視線を向けた。

 

 

「誰だ? 誰かいるなら出てこいよ」

 

 

 メロコが警戒しながら言うと、木の陰から一人の人物が姿を現した。

 

 

「え?」

「ボタンさん?」

 

 

 ユウ達が驚く中、ボタンは少し気まずそうにユウ達に近づいた。

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