その日の夜、男子組のテントの中でユウはハルトやシュリと話をしていた。
「今頃、メロコさんはどこのスター団のアジトにいるのかな?」
「どこだろうね。もしかしたら、もう配り終えてほのお組のアジトに戻ってる可能性はあるかもよ?」
「ソレハアリエルシ。空飛ぶタクシーヲツカッテタカラシュリタチガアルクヨリハハヤクツケルシ」
「だね。はあ……それにしても、今日は本当に勝てて良かったぁ……」
ユウが安心しきった顔で言っていると、それを見たハルトはクスリと笑った。
「ユウの場合はよりそう思うだろうね。余裕があるわけじゃないのに手持ち一匹で挑まないといけなかったわけだから」
「ホントウニギリギリダッタシ。ケド、ハルトハコンカイモヨユウデイッピキダケデクリアシテタシ。シュリタチモソコマデイケルヨウニガンバルシ」
「そうだね。今回は勝てたけど、ホムラの頑張りがあったからだし、もっと僕も進化していかないと……」
「ネモの隣に立っていたいから、ね。でも、それはどっちの意味で? ネモのライバルとしてとネモに異性として振り向いてもらいたいからのどっち?」
ハルトからの問いかけにユウは俯きながら答える。
「……どっちもだよ。今日一日、ネモとデートみたいになったり僕達がいなくなった時にギュッと手を握ったりしてきた時にネモは改めて可愛い女の子なんだと実感したし、もうネモは哀しませたくないと思った。だから、これはたぶんネモへの恋心なんだと思う。異性とそういう関係になった事はないから確証はないけどね」
「イヤ、シュリカラミテモユウハネモガスキナヨウニミエルシ。イシキヲスルキカイハオオカッタシ、コレモトウゼンノテンカイダシ」
「そう……なのかな。因みに、ハルト君はどう? アオイちゃんと旅をしてるけど、意識はしてる?」
「僕? 僕かぁ……アオイちゃんは可愛い子だとは思うよ。アチゲータ達の育成には真剣だし、ふと見せる仕草や笑顔も女の子らしいと思うしね。でも、今の僕がするべき事は恋愛じゃない。旅をしながら自分の記憶を取り戻す事だから」
「記憶……ボウルタウンを見てた時はなんだか懐かしいって言ってたけど、ハッコウシティはどうだった?」
その問いかけに対してハルトは首を横に振る。
「今回は全然かな。でも、やっぱり記憶は取り戻したい。ハッサク先生が言うには、ウルトラホールを通ってきたかもしれないみたいだけど」
「ウルトラホール……それもまだ謎が多いよね。もし本当にそうだとしたらハルト君は異世界から来た事になるし……」
「ミライドンガイテ、ボウルタウンニナツカシサガアルッテコトハ、イセカイノパルデア地方カラキタコトニナリソウダシ。ソシテ、タブンソッチノフトゥーカラミライドンヲタクサレタンダシ」
「僕もそう思う。だから、早く記憶を取り戻してどうして僕がミライドンと一緒にいるのか、そして記憶を無くしたのかを明確にしたい。そうじゃないとモヤモヤするしね」
「うん、そうだね。僕達もしっかり手伝うよ」
「ナカマヲタスケルノハトウゼンダシ」
「うん。ありがとう、二人とも」
ハルトが安心したように微笑んだ後、三人は再び楽しそうに話し始め、ユウ達の夜は賑やかに更けていった。