どく組のアジトへユウ達が向かうと、その入り口には二人の人物の姿があった。一人は制服の冬服を着た少年だったが、もう一人のは紫と緑を基調としたコートを身につけ同じような色の頭巾で顔の大部分を隠した人物であり、覗いていた右目は碧眼だった。そしてユウ達が近付いていくと、少年達は足音を聞き付けて顔を向けた。
「む……また新たな敵か? すまぬが、我は既にチーム・シーのボスに非ず。今は一人のポケモントレーナーにして、忍の道を探究するする者だ。カチコミならば、フェアリー組とかくとう組のアジトに行くと良い」
「あ、いえ。僕達はカチコミに来たんじゃないんです」
「イチオウ、カシオペアカラキョウリョクハイライサレテルケド、シュリタチハススンデカチコムキハナイシ。ソレデ、シュウメイハオマエダシ?」
「いかにも。我はシュウメイ、どく組の元ボスだ。ユーらは……生徒会長殿とその学友のようだが、カチコミでないならば何故ここへ来たのだ?」
「強いて言えば、話をするためかな。私も生徒会長だからね。少し前にあったっていうスター団の事件は気になるんだ」
その瞬間、シュウメイの隣に立っていた少年は必死な表情でネモとシュウメイの間に立った。
「シュウメイ殿達は悪くないよ、生徒会長さん!」
「同胞……」
「君は?」
「僕はヒロノブ、シュウメイ殿の同胞です」
「そういえば、その同胞って?」
「同じく忍を愛する同好の士という意味だ。同胞、ヒロノブ殿はスター団の団員ではないにも関わらず、カチコミに来たハルト殿とも戦い、我に対しても自分という同胞がいると言ってくれた。スター団の仲間達も大切だが、ヒロノブ殿も大切な友人であり仲間だ。それは変わらぬ」
シュウメイの言葉にヒロノブが嬉しそうにしていると、ネモはその様子を見て腕を組んだ。
「やっぱりスター団の人達って良い人ばかりだよね。無理やり勧誘させる人達には見えないけど……」
「それについては本当に面目ない……本来、我らが団員達の暴走を抑制するべきなのだが、マジボス殿をお待ちしたいという気持ちが強くなりすぎた事で組の統率が取れていなかったのが原因だ。まことにすまぬ……」
「あ、いえ……ところで、シュウメイさんはボスには戻らないんですか? たしかに掟はありますけど、きっとどく組の皆さんもシュウメイさんが良いって言いますよ?」
「そうだよ、シュウメイ殿! それに、ボスじゃなくてもどく組の人達はシュウメイ殿が戻ってきてくれるだけできっと嬉しいよ!」
「ピーニャトメロコミタイニトリアエズモドッテカリボステキナタイイチニイテモモンダイハナサソウダシ?」
「う、うむむ……」
シュウメイが迷っていたその時だった。
「おや……お前達も来ていたのか」
「え? あ、ネルケさん……と、そのポケモンは?」
「ああ、ここに戻ってきた時にお前らの会話を盗み聞きしてたからちょっとご同行願ったのさ。なあ、ケロマツ?」
「ケロ……」
体表が薄い青色のケロマツは静かに頷いた。