「この子のテラスタイプ……毒タイプだったんだ」
「……そのようだな」
「シュウメイ君、ケロマツの事がもっと欲しくなったんじゃない?」
ネモの問い掛けに対してシュウメイは少し悔しそうな顔で頷いた。
「本音を言えばな。だが、男に二言はない。ケロマツがネモ殿を選んだのだから、我は潔く諦めよう」
「わかった。よし……ケロマツ、全力で行くよ! 回転しながらハイドロポンプ!」
「ケロ!」
ケロマツは大きく頷くと、片足を軸にしながらハイドロポンプを放ち始めた。
「……何を企んでいるかはわからないが、命中させなければダメージには繋がらぬぞ?」
「わかってるよ。次は……ケロマツ、バトルコート中にれいとうビーム!」
「ケロ!」
ケロマツは回転を止めると、ハイドロポンプで濡れたバトルコートにれいとうビームを放った。すると、れいとうビームはバトルコートを凍らせていき、程なくして氷のリンクが完成した。
「よし、完成!」
「ほう、凍りついた戦場を作り上げたか。だが、ブロロロームは少々地面から浮いている。その氷のリンクは通用せんぞ?」
「そうだね。でも、これはブロロロームの行動を制限するための物じゃない。このために作ったんだよ! ケロマツ、ケロムースを氷のリンクに散りばめて!」
「ケロ!」
ケロマツは首の周りについている泡を凍りついたバトルコートのあちこちに飛ばした。そしてケロムースがバトルコートに散らばると、ケロマツは氷のリンクを滑り始め、その先でケロムースにぶつかると、その弾力性を活かして次のケロムースに向かって滑るといった事をし続けた。
「ブロ、ブロ?」
「……氷でただ滑るのではなく、その珍妙な泡を用いて更に速く動くという戦術を見せつけてきたか。実に見事だ」
「お褒め頂きどうも! ケロマツ、もっともーっも滑っていくよ!」
「ケロ!」
ケロマツが滑る速度を上げると、その速度は目にも止まらぬ程の物になった。
「ブロ!? ブロ……!?」
「落ち着け、ブロロローム! 氷など砕けば良いのだ! じならし!」
「ブ、ブロ……!」
ブロロロームは氷のリンクに向かってじならしをした。そして氷が高い音を立てながら砕けていくと、それを見たネモはニヤリと笑った。
「砕いてる暇なんてないよ! ケロマツ、跳び上がってからマッドショット!」
「ケロ!」
ケロマツはケロムースを使って上空へ飛び上がると、ブロロロームの頭上からマッドショットを飛ばした。
「ブロ……!」
「ブロロローム!」
「さあ、とどめ行くよ! ハイドロポンプ!」
「ケロ!」
ケロマツは大きく口を開けると、ブロロロームに向かってハイドロポンプを放った。そして命中したハイドロポンプはブロロロームをバトルコートにめり込ませ、ブロロロームは舌をダランと垂らしながら目を回した。
「ブロロローム、戦闘不能。私達の勝ちだね」
「……そうだな」
シュウメイが悔しそうに唇を噛む中、二人のバトルは幕を閉じた。