バトル終了から十数分後、チーム・シーの詰所ではミカヅチとシンを肩からぶら下げながらユウが調理をしていた。
「……よし、もう少しで完成かな。皆さん、あと少しで完成するので待っていて下さいね」
「ああ、それはいいのだが……そんなにポケモンを肩から下げていて重くないのでござるか?」
「重いですけど、あまりに気はならないですよ」
「そうか……不思議ではあるが、それも慣れなのだろうな」
シュウメイが驚き、ネモがクスリと笑う中、ユウは調理を続けた。そして数分後、調理を終えたユウがネモに手伝ってもらいながら配膳すると、どく組のメンバーは目を輝かせながら料理を食べ始めた。
「……おお、これは美味だ!」
「ほんとだね! こんなに美味しいのを作れるなんてスゴいなぁ……」
「ふふ、ありがとう。シュウメイさん、ネモとのバトルはどうでした?」
「うむ、実に満足したでござる。負けてしまった事は悔しいが、充実感に満ち溢れている。ネモ殿、本当にありがとうでござる」
「どういたしまして。それにしても、シュウメイ君って結構話しやすくて気持ちの良い性格をしてるよね。話し方は独特かもしれないけど、普通にアカデミーに通ってても友達は出来そうな気が……」
そのネモの言葉にヒロノブは俯く。
「そんな事ないよ……シュウメイ殿が忍者に対して情熱を注いでいてもスゴいと言った人なんてほとんどいなかったし、それどころかオタクはキモいとか子供っぽいとか言う人ばっかりだったんだ」
「そうだったんだ……それで、イジメに遭ってマジボスに声をかけられたんですね?」
「その通りでござる。しかし、オタクの道は修羅の住まう棘道ゆえ凡人に理解を乞う気はござらぬ」
「タダ、コノスター団ハヤッパリイゴコチガイインダシ?」
「……否定はせぬ。皆が全員オタクというわけでもなく、我の話についていけぬ者もいる。しかし、スター団は我らにとってただの集団ではなく居場所、かけがえのない宝なのでござる」
「……やっぱりアンタにとってもそうだよな。さて、俺はそろそろ行くぜ。ユウ、今回もごちそうさまだったぜ」
ネルケの言葉に対してユウはニコリと笑う。
「お粗末様です。今日もお弁当は用意してるので、よかったらどうぞ」
「いつも悪いな。ウチの手持ち達もすっかりお前の料理の虜になってるんだ。ありがたく貰っていくぜ」
「はい。道中気を付けてくださいね」
「ああ。じゃあな、お前達」
そう言って包みを持ったネルケが詰所を出ていくと、それと入れ違いになる形でハルトとアオイが中に入ってきた。
「あ、二人とも」
「やっぱりここにいたんだね」
「実は一回アカデミーに戻ろうかって話してて、この近くを通った時にコライドンとミライドンが鼻をひくつかせていきなりここに向かって走り出したからどうしたんだろうって話してたんだけど、ユウ君の料理の香りに引き寄せられたんだね」
「あはは、なるほどね。シュウメイさん、ハルト君達も一緒でも良いですか?」
「ああ、構わないでござる。ユウ達もそうだが、ハルト殿達も悪人ではないとわかっているでござるからな」
その言葉の後、会食にはハルト達も混ざり、詰所の中はより一層賑やかになっていった。