「ふう……ここまでの宝探しでは本当に色々な事があったなぁ……」
夜、アカデミーの自室に戻っていたユウが呟くと、それを聞いていたハルトはクスリと笑った。
「ジムバッジも三つ目でスター団やヌシとの出会いも三つ目。たしかに色々な事があったね。ただ、ここからが折り返しだからより気を引き締めていかないと」
「ハルトノイウトオリダシ。スコシズツミンナモシンカシタリナカマモフエタリシテキタケドマダマダタリナイシ。モットガンバッテキタエテイクシ」
「うん。ネモだって新しくケロマツをゲットしたしね。僕ももっと頑張らないと……」
ユウが拳を軽く握りながら言っていると、ハルトは笑いながらも小さく息をついた。
「やっぱりネモが一番に出てくるんだね。なんだか羨ましいなあ」
「羨ましいって?」
ユウが首を傾げると、ハルトは少し寂しそうに笑った。
「ライバルの存在、そして大切と言える存在がだよ。僕はアオイちゃんと旅はしてるけど、アオイちゃんはあくまでも旅の仲間で友達でクラスメート。ユウとネモみたいにライバルでお互いに想い合ってるわけじゃない。だから、羨ましいんだ」
「ハルト君……」
「もしかしたらネモもこんな気持ちだったんじゃないかと思うんだ。やりたい事はあるし、モヤモヤを昇華させられる方法もわかってる。でも、その相手がいない。そんな不完全燃焼がネモの状態だったんだよ」
「デモ、イマハソノアイテトシテユウガイル。ソウイウコトダシ?」
「うん。まあアオイちゃんとそういう関係になれたらそれは良い事だと思う。だけど、まだ謎が多くてもしかしたら元いたところに帰らないといけないかもしれない。そんな僕がそういう相手を作ったところで帰った後に悲しませるだけだよ」
「まあ帰らないと今度は元いたところの人達が悲しむだろうしね……」
ハルトの顔を見ながらユウは俯いていたが、やがて静かに顔を上げた。
「だったら、僕だとだけでもライバルにならない?」
「え?」
「ハルト君の気持ちもわかるよ。でも、だからと言ってハルト君だけが辛くなって良いわけじゃない。だから、僕にもその辛さを背負わせてよ。ライバルとして」
「ユウ……」
「ワルクナイカンガエダシ。カンゼンナカイケツニハナッテイナイケレド、ハルトカラスレバライバルトソウダンアイテヲドウジニゲットデキルシ」
「そうだけど……良いの?」
ハルトが不安がる中、ユウは微笑んだ。
「うん。でも、アオイちゃんにも近い事は話した方がいいよ。一緒に旅をしてるのに何も話してもらえない方が辛いだろうから」
「……うん、そうだね。ありがとう、ユウ。これからはライバルとしてもよろしく」
「こちらこそ」
「シュリタチモスグニオイツクカラカクゴスルシ」
「……うん、楽しみにしてるよ」
嬉しそうにハルトは微笑んだ。そしてユウ達の部屋はその後も夜遅くまで楽しそうな話し声で満ちていた。