翌朝、チャイムと同時にキハダのバトル学の授業が終わりを告げると、ハルトはモンスターボールを手にしながら隣に立っているユウに話しかけた。
「ユウ、授業後すぐで悪いけど、バトルに付き合ってくれる? ライバルが出来た分、嬉しくてたまらないからさ」
「うん、良いよ。何回もバトルを経験して前よりバトルには自信もついてきたしね」
「ジムバトルやヌシとのバトルでの勝利、スター団との触れ合いは良い影響を与えてるみたいだね。シュウメイさんも結果としてどく組に残って仮ボスをする事にしたみたいだし」
「ボスと主に闘ったのはネモだけどね。よし、それじゃあさっそ──」
「転入生達、ちょっと良いか?」
その声を聞いてユウ達が顔を上げると、目の前にはキハダが立っていた。
「キハダダシ。ドウカシタンダシ?」
「あ、ああ……転入生達、特にユウに用事があってな」
「僕ですか?」
「ユウニヨウジッテコトハ……ズバリ! リョウリニツイテダシ?」
図星だったらしくキハダはウッと呻いた。そしてガクリと肩を落としてから静かに頷いた。
「……そうだ。本当は別の場所で話したかったのだが……まあ仕方ない」
「シュリがすみません、キハダ先生……」
「いや、良いんだ。とにかく料理について少し相談がある。良ければどうか力になってくれないか?」
キハダが頭を下げると、ユウは一瞬驚いた後にふわりと笑った。
「僕は良いですよ。ハルト君、バトルに誘ってくれたのにごめんね。流石に困ってる人は放っておけないよ」
「そうだと思った。だから、僕も力を貸すよ。ユウ程じゃないけど、少しは料理も出来るからね」
「シュリモチシキヲカシタルシ。カンシャスルシ、キハダ」
「ああ、本当にありがとう。では、さっそ──」
「あっ、ユウ達! お疲れ!」
ユウ達にネモとアオイが近づくと、ネモはキハダの姿に首を傾げた。
「キハダ先生がいるって事は何かバトル学の事で質問があったの?」
「僕がじゃなくキハダ先生がだけどね。それに、バトル学の事についてでもないよ」
「キハダ先生が?」
「ああ、そうだ。せっかくだ……二人にも力を貸してもらいたい。良いか?」
「もちろん。先生にはいつも授業でお世話になってますから!」
「私も大丈夫です、キハダ先生」
「ありがとう。それでは、早速家庭科室に行こう。今の時間なら家庭科室も授業終わりで空くはずだからな」
その言葉に頷いた後、ユウ達はキハダの後に続いてグラウンドを出て、家庭科室へ向けて歩き始めた。