「リップ、それにミモザ先生まで……」
「ハーイ、キハダちゃん。なんだか美味しそうな物を食べてるじゃない?」
「ああ、これはここにいるユウが……じゃなくて! どうしてリップがここにいるんだ!?」
「あたしが連れてきたからよ、キハダ先生。もっとも、リップさんはキハダ先生に用事があったみたいで、ちょうどエントランスにいたあたしが案内してきただけなんだけど」
「私に用事?」
キハダが首を傾げると、リップはキハダにスッと近づき、油で軽くテカっていた唇をそっと指で拭った。
「う……リ、リップ?」
「美味しく食べるのも良いけど、見た目にも気を遣わなきゃダーメ。この前、新作のリップの試供品をあげたでしょ?」
「貰ったが……前にも言ったように私には美容は向いてなくて……」
「キハダちゃんは昔から綺麗な肌をしてるんだからそんな事はないわ。もちろん、ミモザちゃんやネモちゃん、そちらの子もだけど……」
そう言いながらリップはユウに近づくと、頭の上にいるシュリに顔を近づけた。
「このシャリタツちゃんも中々の逸材みたいね。この子、貴方のポケモン?」
「は、はい……シュリっていいます」
「シュリダシ。ヨロシクシテヤッテモイインダシ?」
「あら、ちょっと生意気系なのね。ふふっ、ますます興味が湧いちゃった。でも、貴方達の相手はベイクジムで。今は喜怒驚楽エクササイズについてキハダちゃんに相談をしなきゃだから」
「喜怒驚楽エクササイズ……ですか?」
ユウが首を傾げると、リップはクスクス笑ってから答えた。
「ウチのジムのジムテストよ。リップが考案した物をキハダちゃんにインストラクターとしてやってもらってるの。前にやったバトルの罰ゲームてしてね」
「楽しいは楽しいんだがな。ただ、リップに負けたという点はやはり悔しいんだ……それで、相談って?」
「普段は一定の分をやればクリアでしょう? でも、それだけじゃ物足りない人用として間違うまで続けるエンドレスモードを作りたいんだけど、キハダちゃんはどう? スタミナ、続きそう?」
「なんだそんなことか。そのくらいならどうって事ないから実現に向けて進めていってくれ!」
「ありがとう、キハダちゃん。それじゃあ私はこれで……」
そう言いながらリップが去ろうとしたその時、その肩をキハダが掴んだ。
「リップ、少しだけ時間をくれるか?」
「別に良いけど……なるはやでお願いね?」
「ありがとう。それでユウ、ちょっと聞きたいんだが……」
キハダはユウに顔を近づけると、何事か耳打ちをした。
「……どうだろう、頼まれてくれるか?」
「はい、もちろんです。それじゃあ取りかかりましょうか」
「ああ! それと、ミモザ先生も少し残っててくれ」
「良いけど、何をする気なの? キハダ先生」
「それは後のお楽しみだ。さあ始めよう、ユウ!」
その言葉にユウが頷いた後、二人は作業に取りかかり始めた。