翌日、アカデミーの中を歩いていたユウ達は反対側から走ってくる人物の姿に気づいて足を止めた。
「あれは……」
「ゲンゴガクノセイジダシ。ナニカダキカカエテルシ」
「あれは……パモ、かな。セイジ先生のポケモンかな?」
「でも、セイジ先生ってパモを持ってたかな……ピカチュウなら授業で手伝ってるからイメージはあるけど……」
「とりあえず話を聞いてみようか」
アオイの言葉にユウ達は頷いた後、そのままセイジに近づいた。
「セイジ先生、お疲れ様です」
「んっ? おー、ユウ達! ベリベリナイスタイミングだよー!」
「ナイスタイミングッテイウノハ、ソノパモノコトダシ?」
「ザッツライト! このパモさん、グラウンドでうずくまってたんだよ。だから、ワシはパモさん助けたくて大焦り中! 早く医務室にゴーしないと!」
「医務室もそうですけど、応急処置できずぐすりやきのみは使いましたか?」
「きずぐすり……」
セイジはポカーンとしていたが、すぐにハッとすると苦笑いを浮かべた。
「あはは、セイジったらうっかりだったよ! パモさん助けたくてそればかり頭にあったよー!」
「ホントウニウッカリサンダッタシ。ケド、ソウイウコトナライムシツニイソグシ。ミモザナラサッキイムシツニイタヨウダシ」
「オッケー! よかったらみんなも来てくれたらセイジめっちゃ嬉しいよ!」
「わかりました。みんなも良い?」
ユウの問いかけに全員が頷いた後、ユウ達は医務室に向かった。そしてミモザの手当てが済み、パモがベッドに寝かせられると、セイジは感激した様子でミモザの手を取った。
「ミモザ先生、ベリベリサンキューだよ! これでパモさんもすぐに元気いっぱいになってくれるね!」
「どういたしまして。それにしても、ユウ達と二日続けて会うとはね。それもアンタ達がケガしたとかそういうのじゃなくて」
「あはは、たしかに。そういえば、キハダ先生はあれからどうですか? 片付けは自分達がやるとサワロ先生に言われてあの後はリップさんと同時に帰っちゃいましたけど」
「ユウに触発されたのか料理、特にサンドイッチ作りに情熱を注ぎ始めたみたい。それで、今朝も基本のサンドを作ってきたんだけど……まだ不格好だしあの味にも辿り着いてないわね。まあ、変に偏った物にしなくなっただけマシだし、安心していられるけどね」
「キハダ先生は根性がスゴいみたいですから、基本から学んでそこから更に勉強すればきっと上手くなりますよ。なんて学生の僕が偉そうな事は言えませんけど」
「まあ、良いんじゃない? ところでセイジ先生、このパモの様子ならあたしが見ておきますけどどうします?」
ミモザの問いかけに対してセイジはニッと笑いながら答えた。
「ワシもついてるよ! この後すぐの授業はないし、パモさん心配だもん!」
「わかりました。アンタ達はどうする?」
「僕達はこの後に授業があるのでこのまま失礼します」
「うん、わかった! ついてきてくれて本当にサンキュー!」
「どういたしまして。それじゃあ」
そう言った後、ユウ達はセイジとミモザを残して医務室を後にした。