ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第百七十三話

 職員室に入り、ユウ達がセイジに近づくと、セイジはユウ達の姿を見て嬉しそうに笑った。

 

 

「ユウ達、来てくれて嬉しいよ!」

「約束しましたから。それで、何か用事でしたか?」

「イエス! みんなに紹介したい子がいるんだわな! ところで、そっちの二人はどちら様かな?」

「ブルーベリー学園から留学をしに来たクロス君とライラさんです。僕達もついさっき知ったんですけどね」

「オウ! オヌシ達がそうだったんだね! 校長から話だけはティーチされていたよ!」

「ソウダッタンダシ。ソレナラハナシガハヤイシ。クロス、ライラ、ココニイルノガゲンゴガクノセイジダシ」

 

 

 シュリが紹介すると、クロスとライラは緊張した様子で口を開いた。

 

 

「ク、クロスっす……」

「ライラです……」

「あははっ! そんなに緊張する必要はナッシングね! リラックス、リラックスだよ!」

「う、うっす……」

「まあすぐには難しいよね。それでセイジ先生、紹介したいのって?」

「この子だよ。出ておいで、ニャース!」

 

 

 セイジが取り出したモンスターボールからはニャースが現れた。しかし、その姿はパルデア地方で見られるような姿ではなく、灰汁(あく)色で染まった毛むくじゃらな姿だった。

 

 

「ニャア?」

「このポケモンは……ニャース?」

「この子はガラル地方の個体、リージョンフォームのニャースだよ!」

「リージョンフォーム……私のロコンと同じですね」

「言われてみれば……でも、どうしてガラルのニャースを?」

「昔、ワイフと一緒にガラルを旅行した時に捕まえたんだよ」

 

 

 セイジが白い歯をキラリと光らせながら笑うと、左手の薬指の指環も照明を反射して輝いた。

 

 

「そういえば奥さんがいるんでしたね」

「イエス! さて、この子なんだけど……ユウ達で育ててあげて欲しいんだよ!」

「僕達で……それならネモとハルト君のどちらかが適任じゃないかな?」

「僕達が?」

「ソノイケンニサンセイダシ。モトモト、パモノコトヲドウニカデキタノハパモットトパーモットノオカゲダカラ、ソノトレーナーデアルフタリノドチラカガイイトオモウシ」

「それなら僕は辞退しようかな。僕はもう手持ちは足りてるし、何より……」

 

 

 その時、モンスターボールの一つが開き、中から現れたマスカーニャがしなだれかかる。

 

 

「カーニャ」

「ウチのマスカーニャ、結構嫉妬深いから中々新しいポケモンは仲間にしづらいんだよね」

「ナルホドダシ。ソレジャアネモガナカマニスルシ?」

「そう出来るなら嬉しいけど……クロスとライラは良いの? 欲しいなら全然譲るよ?」

「いや、俺達はその件には関わってないから良いや」

「私も大丈夫です」

「わかった。それじゃあ……これからよろしくね、ニャース」

「ウニャア」

 

 

 一鳴きした後、ニャースはモンスターボールに戻され、ネモはニャースが入ったボールを受け取った。

 

 

「セイジ先生、ありがとうございます。大切に育てますね!」

「うん! ニャースとのアドベンチャー、ベリベリ楽しんで!」

「はい! よーし、それじゃあ早速特訓を──」

「おや、何か騒がしいと思ったら、貴様達だったか」

「え? あ、レホール先生」

 

 

 ユウ達が向いた先には、眼鏡をかけた褐色肌の女性が立っていた。

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