翌日、ハルト達と別れたユウ達はテーブルシティを出発し、カラフシティに向けて歩いていた。
「さて、私達もカラフシティに向かってるわけだけど、ライラさんはジム巡りには興味ある? あるならこれまでに行った街にも行くよ?」
「そうですね……無いわけではないのですが、まずはバトルが強くなる事が目標なので、今は大丈夫です」
「うん、わかった。そういえば、ユウはジム戦の準備はバッチリ? 一応、水タイプの対策は色々あるだろうけど」
ネモはそう言いながら隣を歩くユウに顔を向けた。しかし、ユウは話が聞こえていない様子で真剣に考え事をしており、その姿を見たネモは不思議そうに首を傾げた。
「あれ、ユウ? おーい、ユウー」
「…………」
「ユウ、どうしたのー? なんだか顔が怖いよー?」
「…………」
ネモが幾ら話しかけてもユウは返事をせず、その姿にライラは心配そうな顔をした。
「ユウさん、どうされたんでしょうか……」
「うーん……私もこんな事は初めてだからなぁ。ねえシュリ、ユウって昨晩はどうだったの?」
「ハルトトハナシナガラテモチノイクセイホウシンノミナオシヲシテイタシ。ソノアトハクロスタチノコトニツイテハナシテイタケドイツモドオリダッタシ」
「そっかぁ……よっし、こうするのはちょっと恥ずかしいけど、これなら流石に気づくでしょ」
ネモは覚悟を決めた様子で言うと、ユウの目の前に立った。そしてそれに気づいた様子でユウが足を止めると、ネモはユウの頬を両手で挟んだ。
「むぐっ!?」
「ユウ、そんなにムッとしてるならこのまま顔をこねくりまわすよ?」
「ネ、ネモ……」
「バトルに真剣になるのは良いよ。でも、少しは他の事も考えよう? 思い詰めてばかりだと何も良い方へいかないんだから!」
ネモが真剣な様子で言うと、ユウは申し訳なさそうな顔をした。
「……ゴメン。やっぱり昨日二回も負けちゃったのが悔しくて……」
「まあその気持ちはわかるよ。でも、悔しがるのはその時までにして、今は宝探しを楽しもうよ。せっかく両手にキレイハナ、いやそれ以上の事になってるのに」
それを聞いたシュリはうんうんと頷く。
「マッタクダシ。ビショウジョサンニンヲハベラセテルンダカラモットウレシソウニスルシ」
「それ、自分で言う? というか、シュリって美少女なの?」
「シュリハダレニモマケナイホドノビショウジョデ、イズレハゼッセイノビジョニナルホドノイツザイダシ!」
怒りを見せたシュリがヒレで頭を叩くと、ユウは痛そうに両手で頭を押さえた。
「痛い! 痛いから!」
「あははっ! 今日もシュリは絶好調だね! さて、ユウもいつも通りに戻ったし、改めてカラフシティに向けてしゅっぱーつ!」
ネモが元気いっぱいに言った後、ユウ達はカラフシティに向けて再び歩き始めた。
「さっきのユウさん……少し怖かったですけど、それと同時にカッコよかったですね……」
ライラは誰にも聞こえない声でボソリと呟いた。