「そのイワンコ、どうしたんですか? なんだかちょっと弱ってるように見えますけど……」
「すぐそこで見つけたんです~。カラフシティに行こうとしたら踞っているのを見かけて、放っておけずポケモンセンターまで連れていこうとしていたんです」
「カラフシティニハシュリタチモイクトコロダッタシ。カラフシティノハイダイヲタオシニイクンダシ」
「あら、そうだったんですね~。ハイダイさんは本当にお強いですから頑張って下さいね」
「はい。あの……そのイワンコ、弱ってるのもそうですけど、もしかしてお腹空いてたりしませんか? シュリ、試しに聞いてもらえる?」
「ガッテンダシ! シュリニマカセルシ!」
答えた後、シュリはイワンコと会話を始めた。そして会話が終わると、シュリは見下ろしながらユウに話しかけた。
「コノイワンコ、ムレカラオイダサレタヨウダシ。ソレデ、トホウニクレテタトキニオナカガヘッテキテウゴケナクナッタソウダシ」
「群れから……でも、どうしてでしょう?」
「イワンコニモヨクワカラナイヨウダシ。フダンハナンデモナントカナルデスマセテルイワンコモサスガニショックダッタヨウダシ」
「普段はちょっとマイペースな感じなんだね。カエデさん、とりあえずこの子に何か食べさせてあげましょう。食材ならテーブルシティで買ってあるのですぐに調理なら出来ますよ」
「うふふ、わかりました。けれど、せっかくなのでお店まで行きましょうか」
「え、良いんですか?」
ユウが驚く中、カエデは微笑みながら頷く。
「はい。なので、早速行きましょうか、ユウさん」
「はい」
ユウが答えた後、一行はカエデの店であるムクロジへ向かった。到着後、カエデはイワンコをネモに渡すと、ユウと一緒に奥へ向かい、ユウが持ち込んだ食材も使いながら調理を始めた。
「サテ、アトハマッテルダケダシ。デモ、ホントウニドウシテイワンコハムレカラオイダサレタシ? ミタメハフツウノイワンコダシ」
「そうだよね……ねえ、イワンコ。君がいた群れってまひるのすがたとまよなかのすがたのルガルガンで分かれてたの?」
「クーン……」
「トクニソンナコトハナサソウダシ。トナルト、ナオサラナゾダシ」
「うん……ライラさんは何か思い付く事はない?」
ネモはライラに視線を向けたが、ライラの視線はカエデと協力しながら料理を作っているユウに注がれていた。
「ライラさん、おーい」
「……あ、すみません。作業中のユウさんがかっこよく見えて、つい……」
「あはは、なるほどね。その気持ちは私もわかるよ。ユウって普段は自信無さげなんだけど、料理を作ってる時は自信満々な上に物静かな感じになてかっこいいんだよね。まあ、普段もちょっとした気遣いが出来るところとかああ見えて力が強いところとかがあってドキドキするところはあるけどね」
「……ネモさんはユウさんの事をよく見ているんですね」
「え? そ、そうかな……まあそれはさておき、ライラさんはイワンコの件について何かわからない?」
「そうですね……実はイワンコと言えばな噂を聞いた事があるのです」
「噂?」
ネモが首を傾げると、ライラは静かに頷いた。
「イワンコにはどうやら三種類目の進化系があるそうです」