「三種類目の進化……シュリはわかる?」
「フム……シュリモハナシデキイタコトアルクライダケド、ソレハオソラクたそがれのすがたトイウヤツダシ」
「たそがれのすがた?」
「ソウダシ。たそがれのすがたハユウガタ、トクニヒガシズムチョクゼンジャナイトシンカシナイシンカケイデ、まひるのすがたトまよなかのすがたノリョウホウノワザガツカエルトキイテルシ」
「本当にスゴい進化系なんだね……因みに、どのイワンコでもそれにはなれるの?」
ネモの問いかけに対してシュリは肩の上で首を横に振る。
「ダレデモデハナイシ。ツウジョウトハチガウイワンコダケガナレルトイウシ」
「通常とは違う……?」
「ソノチガイ、ソレハトクセイガマイペーストイウ……」
「シュリ?」
「……モシカシテダケド、コノイワンコガソウジャナイカダシ?」
「え?」
腕の中にいるイワンコを見ながらネモが驚いていると、シュリはイワンコと会話を始めた。そして会話が終わる頃、ユウとカエデは料理を幾つか持ちながら戻ってきた。
「お待ちどうさま」
「イワンコの様子はどうですか?」
「コノイワンコガトクベツナイワンコダトイウコトガワカッタシ」
「あらぁ、そうなんですか?」
「ソレト、メズラシイアカシヲモッテルコトモカイワノナカデワカッタシ。コノイワンコ、モシカシタラソレガリユウデオイダサレタノカモシレナイシ」
「そんな理由が……でも、特別なイワンコって?」
「ソレハイマカラセツメイスルシ。マズハイワンコニナニカタベサセルシ」
それに対して頷いたユウとカエデが出来立ての料理を並べ、イワンコが嬉しそうに食べていく中、ユウとカエデにシュリは説明を始めた。
「ト、イウコトダシ」
「たそがれのすがた、か……それが理由で追い出されたんだとしたら本当に可哀想だね」
「こんなに可愛いのにね。ねえ、イワンコ。よかったら私達と一緒に来ない?」
「ワン?」
「私、ちょうど新しい子を仲間にしたいと思ってたんだ。だから、君さえよかったら一緒に来てほしいんだけど……どうかな?」
ネモが微笑みかけると、料理を食べ終えたイワンコはネモの顔を見上げ、嬉しそうに鳴き声を上げてからネモに頬擦りをした。
「ワンワン!」
「あははっ、良いみたいだね。それじゃあよろしくね、イワンコ!」
「ワウン!」
イワンコが返事をした後、ネモはイワンコにモンスターボールをぶつけた。そしてイワンコがボールの中に入ると、愛おしそうにボールを撫でた。
「よろしくね、イワンコ。これで私も六体目か、かぁ……満遍なくきっちりと育ててあげないと」
「そうだね。さて、イワンコの件も解決したし、次はライラさんの方だね」
「あらぁ? 何かご用事でもありましたか?」
「ヨウジトイウカライラノテモチニイーブイヲイレヨウトシテタシ」
「うふふ、それなら丁度良かったです」
「と言うと?」
ユウが首を傾げると、店の奥からイーブイが走り出てきた。
「ブイ!」
「この子、お菓子の香りにつられてきたようで、野生に返そうとしても中々帰ろうとしなかったので誰か良い人を見つけて引き合わせようとしていたんです。なのでライラさん、良かったらこの子を連れていきませんか?」
「それは嬉しいですけど……この子がどう思うかですよね……」
少し不安そうにライラが顔を近づけると、イーブイはライラに鼻をくっつけ、驚くライラの顔をペロリと舐めた。
「わっ、これはもしかして……」
「イーブイニキニイラレタミタイダシ。ゲットシテモヨサソウダシ」
「わかりました。では……イーブイ、これからよろしくお願いしますね」
「イッブイ!」
ライラが差し出したモンスターボールにイーブイはタッチすると、そのまま中へと入っていき、ライラはイーブイが入ったボールを両手で包み込んだ。
「イーブイ、改めてよろしくお願いしますね」
「これでやろうとしてた事は終わったね。十分休憩も出来たし、これで──」
「うふふ、出発ですね~。皆さん、よければカラフシティまでご一緒させて頂けませんか?」
「もちろん良いですよ。みんなも良いよね?」
ユウ達が頷くと、カエデは嬉しそうに笑った。
「うふふ、よろしくお願いします~。では、後片付けをしたら早速行きましょうか」
「レッツゴーダシ!」
後片付けを終えてムクロジを出た一行はカラフシティに向けて歩き始めた。