「ダ、ダレダシ……?」
「私のお師匠様でカラフシティのジムリーダーのハイダイさんですよ。でも、なんだかお急ぎのようですね……マリナードタウンで狙い目の競りでもあるんでしょうか」
「競り……競りってなんですか?」
「……え? ライラさん、競りを知らないの?」
「はい……初めて聞きます」
ライラの言葉にユウが驚く中、シュリはため息をついてから話を始めた。
「セリトイウノハイッパンテキニイチバデオコナワレルモノデ、ヒトツノショウヒンニタイシテナンニンカガネダンヲドンドンツリアゲテイキ、イチバンタカイネヲダセタヒトガソノネデカエルトイウモノダシ」
「なるほど……お洋服や本はいつもお店で買って頂いていますし、食材もコック長さんが仕入れているそうなので本当に知りませんでした」
「コック長……もしかしてライラさんってどこかのお嬢様とか? ウチの両親はスマホロトム会社の役員をしてるけど」
「そうなのですか。私のお父様は宝石会社の社長をなさっていて、お母様はコスメティック用品の会社の社長をなさっているんです」
「わあ、そうなんだ……! なんだか奇遇だね!」
「ええ、本当に」
ライラとネモが笑い合う中、話の内容に驚くユウにカエデはクスクス笑ってから話しかけた。
「うふふ、それならユウさんはお姫様達を守る騎士様ですね」
「き、騎士って……! そんな大層なものじゃないですよ……!」
「マアソレハサテオキ、ソロソロハイダイヲヨンデミルシ」
「そうですね~。ハイダイさ~ん!」
カエデが手を振りながらハイダイに呼び掛けると、ハイダイはユウ達に気づいた様子で走り寄ってきた。
「おお、カエデじゃないか! ムクロジは順調なんだい?」
「はい~、いつもたくさんのお客様に来て頂いています~」
「わっはっは! それならよかった。そしてよく見れば……ネモさんもいるじゃないか! 元気だったかな?」
「はい! ハイダイさん、紹介しますね。ここにいるのが一緒に宝探しをしているユウとシュリ、そしてブルーベリー学園からの留学生のライラさんです」
「なるほどなるほど。オイラはハイダイ、カラフジムのジムリーダーで中華レストランの『ハイダイ倶楽部』の店主だい!」
ハイダイが大柄な身体で胸を張りながら言うと、シュリはハイダイの事を眺めながら話しかけた。
「ソレデナンデイソイデタンダシ?」
「おお、そうだそうだ! マリナードタウンに忘れ物をしたから取りに戻ろうとしてたんだい! カエデからプレゼントされたコンパンの財布を!」
「ああ、あのお財布ですね~。それなら私達も行きますよ。ユウさん達も良いですか?」
「もちろんです。悪い人に盗まれたら大変ですから」
「ありがたいんだい! では、早速行くとするか!」
ハイダイの言葉にユウ達は頷いた後、マリナードタウンへ向けて歩き始めた。
「ミジュ……」
そしてその様子をホタテとコンパン柄の財布を持った小柄なポケモンが見ていた。