「ポ、ポケモン博士!?」
「そうだよ。だから、ペパーも学校の中では結構有名なんだけど……」
「俺は全然嬉しくない。それに、校内で有名なのはそっちもだろ?最年少でチャンピオンクラスになった生徒会長なわけだしな」
「……え!?」
「ネモってチャンピオンなの!?」
ユウとアオイが揃って驚く中、ネモは頬を掻く。
「あはは……実はそうなんだ。でも、チャンピオンクラスの人なんて他にもいるし、トレーナーとしてちょっと強い程度に考えてくれると良いな」
ネモは微笑む。しかし、その微笑みはどこか哀しげであり、ハルトとアオイはどうしたものかと顔を見合わせていたが、ユウだけは持っていたバスケットを置いてからネモの両手を優しく握った。
「え……?」
「あ、ごめん……でも、ネモの笑顔がなんだか哀しそうだったから……」
「哀しそう、か……まだ出会って間もないユウにそこまで心配かけちゃうなんて私もまだまだだね」
「いえ、良いと思いますよ。生徒会長を務め、チャンピオンクラスのトレーナーとして頑張っていたとしてもネモさんもまだ子供です。 今はユウさん達やポケモン達に頼りたい時には頼っても良いと思いますよ。もちろん、大人になった後でもですが」
「クラベル先生……そうですね、一人で抱えこんでもしょうがないですし、色々頼ろうと思います。みんな、改めてよろしく。ペパーもよろしくね」
ネモが安心したように微笑むと、ペパーはやれやれといった顔で首を振った。
「仕方ねえ。バトルの事はあんまり力になれねえと思うけど、他の事なら何とかなるしな」
「うん、ありがと。ペパーも何かあったら遠慮なく言ってよ? 特にバトルとか勉強とかさ」
「……まあ、考えとく。後、俺とミライドン、それとコライドンについては今は何も聞かないでくれると助かる。こいつらばかりが悪いってわけじゃねえが、もう少し気持ちの整理が必要なんだ」
「うん、わかった。あ、そろそろ手は離すね」
「え? ああ、うん……」
ユウがネモの手を離すと、少し名残惜しそうなネモの姿を見たシャリタツがニヤニヤ笑う。
「ネモ、ジツハモウスコシテヲニギッテテホシカッタシ?」
「あはは、そんな訳──」
「……いや、ちょっとあるかな」
「え?」
「なんだろう……ユウの手、とてもあたたかくてホッとする感じだったんだ。だから離れた時にもう終わりかってなって……本当にこの感じなんなんだろ」
「ふふ、その答えはゆっくり探してみて下さい。さて、そろそろプラトタウンです。そこを越えれば、学校があるテーブルシティですから、そこで一度休憩してアオイさん達のポケモンを選ぶことしましょうか」
足元をついてきていたニャオハ達を見ながらクラベル が言った後ユウ達は静かに頷いた。そして数分後、ユウ達はプラトタウンに着くと、入口付近に置かれていた施設へ近寄った。
「みんな、ここがポケモンセンター、そしてフレンドリィショップだよ」
「パルデア地方のポケモンセンターとフレンドリイショップは屋外にあるんだね……」
「他の地方では屋内にあるようですからね。さて……では、そろそろ始めましょうか」
クラベルの言葉を聞いたニャオハ達がユウ達の目の前に並ぶと、クラベルは微笑みながら口を開いた。
「さあ、選んでみてください。皆さんのパートナーポケモンを」