翌朝、カラフジムの前には即席のキッチンが設営されており、その前には食材を軽く改めるユウが、そしてその周りにはネモやハイダイの姿があった。
「さあて、そろそろジムテストを始めるんだい! ユウ、準備は良いか?」
「はい、大丈夫です」
「サッサトハジメルシ、ハイダイ。トコロデ、シンサインハダレダシ?」
「審査員、それは……この五人だい!」
その言葉と同時にハイダイを含めた五人の人物が進み出た。
「うふふ、よろしくお願いしますね~」
「友達だけど、審査はしっかりとやるよ!」
「私もそのつもりだけど、自信ないなぁ……」
「まあまあ、肩の力を抜いていきましょう」
不安そうなアオイに対してライラが微笑みながら言っていると、ユウは軽く唇を噛んだ。
「ハイダイさんにカエデさんというプロ二人がいる上に舌が肥えてそうなライラさん、そして僕の料理を食べ慣れてるネモとアオイちゃんが審査員……!」
「ショウジキ、ラクトハイエナイシ。ハイダイトカエデハモチロン、ネモタチモトウゼンテゴコロヲクワエルワケガナイシ。マダ、カラフシティノジュウニンカラランダムニエラバレテイタホウガマダヤリヤスカッタシ」
「それでもハイダイさんの料理を食べ慣れてる人は多いだろうから難しかったと思うけどね。よし……行くよ、みんな!」
その言葉と同時に放り投げられたモンスターボールからはユウの手持ちポケモン達が飛び出した。
「ミュウ!」
「ピッカ!」
「ミジュマ!」
「グルォ!」
「ガニィ!」
出てきたポケモン達がそれぞれやる気のこもった鳴き声を上げると、その姿にネモはニヤリと笑った。
「へえ、ユウ達はその子達を選んだんだね」
「いかにもな選出ではあるよね」
「ですが、このポケモン達と一緒に一体何を作るんでしょうか……」
「それはわかりませんが、それを楽しみにしながら料理が出てくるのを待ちましょう」
「それが良いんだい! さあユウ、ジムテスト開始なんだい!」
「はい! さあやろう、みんな!」
ユウの呼び掛けにポケモン達が答えると、ユウ達は作業を始めた。真剣な表情のユウが作業をする中、シュリはユウの頭の上からポケモン達に指示を出し、他のポケモン達は自分の得意な事を活かしてユウのサポートをした。その様子にギャラリー達が歓声を上げていると、テーブルを前にして椅子に座ったハイダイは自分の腹に軽く触れながら大きな声で笑った。
「わっはっは! 街のみんなも大盛り上がりなんだい!」
「ユウさん達の作業風景、見ているだけでもとても楽しいですしね」
「ですね。ねっ、二人と……も……」
アオイの視線の先ではネモとライラが真剣にユウの作業を見ており、ハイダイ達はその様子に微笑ましそうな視線を送った。そして作業開始から数分後、ユウは出来上がった料理が載った皿をポケモン達と手分けをして持つと、それをハイダイ達の目の前に置いた。
「出来ました、これが僕達の作ったサンドイッチです!」