「ほう、サンドイッチか」
「サンドイッチはユウの得意な料理だし、よく作ってくれる物だけど……」
「こんな勝負の時に出すっていう事はそれだけ自信がある一品って事だよね」
「そうだと思いますけど……パッと見は普通のBLTサンドですよね。何か特別な食材を使っているのでしょうか……」
「わかりませんがとりあえず食べてみましょう」
「その通りなんだい。では、いただきます」
ハイダイに続いてネモ達は手を合わせて言うと、自分の目の前に置かれたサンドイッチを掴んでゆっくり食べ始めた。
「……美味しい。ベーコンもこんがりと焼けてるし、レタスとトマトも新鮮で瑞々しくて本当に美味しい」
「味付けも濃すぎないから食べやすいし、大きさも程よいから朝ごはんの後だけど全部食べられちゃう!」
「大きさについてはユウさんが気を遣って下さったのかもしれませんね。しかし、本当に何故BLTサンドなのでしょう……」
「そうだな。ユウ、説明を頼むんだい」
「はい。このBLTサンドは僕の料理の原点なんです」
「料理の原点?」
ネモが首を傾げると、ユウは微笑みながら頷いた。
「まだカントー地方にいて本当に自分に自信がなかった頃、自分には何も良いところがないと思って落ち込んでいたんだ。そんな時、母さんが一緒に料理をしてみないかって誘ってくれて、その時に作ったのがBLTサンドだったんだ。母さんとしては何でも良かったと思うんだけど、様々な栄養素を併せて摂る事やそんなに手順が難しくない事を考えるとこれだったんだと思うよ」
「それではこのBLTサンドはユウさんにとっては思い出の味なんですね」
「それもあるけど、これが僕にとって自慢のパーティでもあるからね」
「自慢のパーティ?」
アオイが不思議そうな顔をすると、シュリはユウの頭の上から答えた。
「ユウハショクザイガテモチポケモン、デキタリョウリガパーティ、ソシテタベサセルアイテガタイセンアイテノヨウダトカンジタヨウダシ」
「なるほど、ユウらしい面白い考えだね」
「だから、変に奇をてらったりただ豪華にしたりするんじゃなくて、今の僕達その物を、基本の僕達を示せるような料理にしたら良いと感じたんだ。バトルには一見関係のない料理をジムテストにした辺り、どんな風に出てくるか見たかったんだろうからね」
ユウがハイダイに視線を向けると、ハイダイはニヤニヤと笑っていた。
「ハイダイさん、どうですか? 僕達のサンドイッチは」
「うむ、味もしっかりしていて作り方に妙な点はなかった。ポケモン達との連携も目を見張る物があったし、料理への激流のようにもせせらぎのようにも感じる思いも伝わってきた。カエデはどう思った?」
「うふふ、私も絶品だと思いました~。料理中の姿や思いも素敵でしたし~」
カエデの言葉を肯定するように満足そうにネモ達が頷くと、ハイダイは大きく頷いてからユウ達に視線を向けた。
「カラフジムのジムテスト、文句無しで合格なんだい!」