ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第百九十八話

「さあ、行くんだい。ウミトリオ!」

「……頼んだよ、ウネルミナモ!」

 

 

 二人がポケモンを繰り出すと、ウネルミナモの姿に観客は驚き、ネモとハルトは息を呑んだ。

 

 

「な、なんでしょうか……あのポケモンは……」

「見た事ないポケモンだな……ネモやハルトはどうだ?」

「……ううん、私も知らないよ」

「僕も見た事ないし、ユウから聞いた事もないよ。まあ別に紹介しなきゃいけない理由はないけど……」

「あのポケモン、なんだか不思議な感じだし、後から色々聞いてみないと……」

 

 

 ネモが不安そうな顔をする中、ハイダイは一瞬驚いたものの、すぐに愉快そうに笑い始めた。

 

 

「がっはっは! 変わったポケモンを連れているんだな!」

「さっき仲間になってくれたばかりですけどね。でも、頼りにはしてますし、もう一匹の仲間とも一緒に頑張って、このジムバトルに勝ってみせます!」

「そうかい。だが、そう簡単に勝たせるつもりはないから覚悟するんだい! さあ、先攻は譲るからどっからでもかかってくるんだい!」

「はい! えっと、ウネルミナモの技は……」

 

 

 ユウが指示を出そうとした時、シュリが頭の上で声を上げた。

 

 

「ワザハスデニキイテルシ! マズハにほんばれダシ!」

「クルォ!」

 

 

 ウネルミナモが鳴き声を上げると、太陽の日差しが途端に強くなった。そしてそれと同時にウネルミナモが赤いオーラを纏うと、その姿にユウは驚いた。

 

 

「えっ……!?」

「コレハ……サンパワーテキナモノダシ? マアソレハイイシ。トリアエズガンガンセメテクシ! ハイドロスチーム!」

「クルルォ!」

 

 

 ウネルミナモは鳴き声を上げると、口から蒸気を上げる熱湯を吐き出した。

 

 

「知らないポケモンな上に知らない技なんだい……だが、だからといって怖じ気づく気はないぞ! ウミトリオ、あなをほる!」

「リオ!」

 

 

 ウミトリオは勢いよく地面に潜ると、ハイドロスチームを避け、それを見たユウは悔しそうな顔をした。

 

 

「くそっ……やっぱり避けられるか……!」

「トウゼントイエバトウゼンダシ。ケド、コノテイドナラモンダイナイシ! ウネルミナモ、バトルフィールドニムケテかえんほうしゃダシ!」

「クルォ!」

 

 

 ウネルミナモは再び鳴き声を上げると、足元に向けてかえんほうしゃを放った。そしてバトルフィールドが炎で覆われると、穴から苦しそうな顔をしたウミトリオが顔を出した。

 

 

「リオ……」

「カオヲダシタシ! ユウ、ドラゴンタイプノオウギ、カマシテヤルシ!」

「うん! ウネルミナモ、りゅうせいぐん!」

「クルルォ!」

 

 

 ウネルミナモが空を見上げながら鳴き声を上げると、その口からエネルギー弾が撃ち出された。そしてそれが無数に分かれると、それらは流星となって降り注ぎ、ウミトリオはそれを避ける間もなくりゅうせいぐんを諸に受けた。

 

 

「リオー……!」

「ウミトリオ!」

 

 

 ウミトリオはそのまま三方向に倒れ、目を回した。

 

 

「リオ……」

「ウミトリオ、戦闘不能! ウネルミナモ? の勝ち!」

 

 

 審判の声が響き、ウネルミナモが咆哮をあげる中、ユウは笑みを浮かべた。

 

 

「……強い。この強ささえあれば……!」

 

 

 観客達の歓声を浴びながらユウはニヤリと笑った。

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