「さあ、行くんだい。ウミトリオ!」
「……頼んだよ、ウネルミナモ!」
二人がポケモンを繰り出すと、ウネルミナモの姿に観客は驚き、ネモとハルトは息を呑んだ。
「な、なんでしょうか……あのポケモンは……」
「見た事ないポケモンだな……ネモやハルトはどうだ?」
「……ううん、私も知らないよ」
「僕も見た事ないし、ユウから聞いた事もないよ。まあ別に紹介しなきゃいけない理由はないけど……」
「あのポケモン、なんだか不思議な感じだし、後から色々聞いてみないと……」
ネモが不安そうな顔をする中、ハイダイは一瞬驚いたものの、すぐに愉快そうに笑い始めた。
「がっはっは! 変わったポケモンを連れているんだな!」
「さっき仲間になってくれたばかりですけどね。でも、頼りにはしてますし、もう一匹の仲間とも一緒に頑張って、このジムバトルに勝ってみせます!」
「そうかい。だが、そう簡単に勝たせるつもりはないから覚悟するんだい! さあ、先攻は譲るからどっからでもかかってくるんだい!」
「はい! えっと、ウネルミナモの技は……」
ユウが指示を出そうとした時、シュリが頭の上で声を上げた。
「ワザハスデニキイテルシ! マズハにほんばれダシ!」
「クルォ!」
ウネルミナモが鳴き声を上げると、太陽の日差しが途端に強くなった。そしてそれと同時にウネルミナモが赤いオーラを纏うと、その姿にユウは驚いた。
「えっ……!?」
「コレハ……サンパワーテキナモノダシ? マアソレハイイシ。トリアエズガンガンセメテクシ! ハイドロスチーム!」
「クルルォ!」
ウネルミナモは鳴き声を上げると、口から蒸気を上げる熱湯を吐き出した。
「知らないポケモンな上に知らない技なんだい……だが、だからといって怖じ気づく気はないぞ! ウミトリオ、あなをほる!」
「リオ!」
ウミトリオは勢いよく地面に潜ると、ハイドロスチームを避け、それを見たユウは悔しそうな顔をした。
「くそっ……やっぱり避けられるか……!」
「トウゼントイエバトウゼンダシ。ケド、コノテイドナラモンダイナイシ! ウネルミナモ、バトルフィールドニムケテかえんほうしゃダシ!」
「クルォ!」
ウネルミナモは再び鳴き声を上げると、足元に向けてかえんほうしゃを放った。そしてバトルフィールドが炎で覆われると、穴から苦しそうな顔をしたウミトリオが顔を出した。
「リオ……」
「カオヲダシタシ! ユウ、ドラゴンタイプノオウギ、カマシテヤルシ!」
「うん! ウネルミナモ、りゅうせいぐん!」
「クルルォ!」
ウネルミナモが空を見上げながら鳴き声を上げると、その口からエネルギー弾が撃ち出された。そしてそれが無数に分かれると、それらは流星となって降り注ぎ、ウミトリオはそれを避ける間もなくりゅうせいぐんを諸に受けた。
「リオー……!」
「ウミトリオ!」
ウミトリオはそのまま三方向に倒れ、目を回した。
「リオ……」
「ウミトリオ、戦闘不能! ウネルミナモ? の勝ち!」
審判の声が響き、ウネルミナモが咆哮をあげる中、ユウは笑みを浮かべた。
「……強い。この強ささえあれば……!」
観客達の歓声を浴びながらユウはニヤリと笑った。