ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第百九十九話

 ウミトリオが瀕死状態になる中、ハイダイはボールにしまいながら大きな声で笑った。

 

 

「がっはっは! これは驚いたんだい! そのポケモン、見た目からはわかりづらいが、ドラゴンタイプなんだな!」

「……はい。その上、水タイプでもありますから、水タイプのジムリーダーであるハイダイさんは結構不利ですよね」

「たしかになぁ。だが、ジムリーダーである以上、まだまだあきらめないんだい。さあ行ってこい、ぺリッパー!」

 

 

 ハイダイが投げ上げたボールからはペリカンポケモンのぺリッパーが飛び出し、それを見たシュリは嫌そうな顔をした。

 

 

「ケッカテキニユウタチトデアエタカライイケド、アノママダトドコニツレテイカレタカワカラナイカラ、コジンテキニペリッパーハニガテダシ」

「知らないところに連れていかれるどころか飲み込まれる可能性もあったからね。さて、さっさとぺリッパーも倒し……」

 

 

 その時、突然日が陰りだし、厚い雲が空を覆い尽くした。そして空から大粒の雨が降り出すと、ユウは忌々しそうに舌打ちをした。

 

 

「……せっかく晴れにしたのに」

「ケド、アメナラミズタイプノワザモ……ッテ、イマモシカシテシタウチシタシ?」

「したけど、それがどうかした?」

「イヤ……ユウニシテハメズラシイトオモッタダケダシ。トリアエズ、ペリッパーヲタオシテサイゴノイッピキヲヒキズリダスシ!」

「うん、もちろん。雨の中だとしても圧勝出来る事を証明してみせるよ」

 

 

 ユウがうっすら邪な雰囲気を感じさせる笑みを浮かべると、シュリは眉を潜めた。しかし、そんなシュリの様子には気づく事なく、ユウはウネルミナモに指示を出した。

 

 

「ウネルミナモ、けちらすよ! ハイドロスチーム!」

「クルルォ!」

 

 

 ウネルミナモは咆哮すると、雨によって力を増したハイドロスチームをぺリッパーに向けて撃ち出した。そして風を切る毎にその勢いは徐々に増していき、その勢いにハイダイの頬には一筋の汗が伝った。

 

 

「りゅうせいぐんで特殊攻撃力が下がってるとは思えない程に威力が桁違いなんだい。だが、これならどうだい? ぺリッパー、ぼうふう!」

「リッパ!」

 

 

 ぺリッパーは大きく翼をはためかせた。そして発生した暴風はゆっくりとウネルミナモに近づいたが、ユウはそれに慌てる様子もなくウネルミナモに指示を出した。

 

 

「ウネルミナモ、フルパワーで」

「クルォ!」

 

 

 そしてウネルミナモが地面を踏みしめると、ハイドロスチームは更に勢いを増し、近づいてきた暴風を蹴散らしながらぺリッパーに命中した。

 

 

「ペリー……!」

「ぺリッパー!」

 

 

 ハイドロスチームを諸に受けたぺリッパーがそのまま目を回しながら倒れ、ハイダイが悔しそうな顔をする中、ユウはクツクツと笑い始めた。

 

 

「……これだ。やっぱりこの強さがあれば……!」

 

 

 一人嬉しそうに笑うユウをシュリは何も言わず静かに見ていた。

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