ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第二百話

 圧倒的な強さを見せるユウ達に歓声が上がる中、バトルを観ていたネモは難しい顔をした。

 

 

「あのウネルミナモってポケモン、本当に強いね。バトルしてみたい気持ちはあるけど、今のユウとはバトルしたくないかな……」

「いつもみたいに楽しそうにバトルをしていないからね。あのポケモンの強さにただ酔っているだけというか、それ頼みにしてるだけって感じだから、戦術面もシュリしか意識してないし、そのシュリだってユウの様子が気になっているようだね」

「ユウ君、本当にどうしちゃったんだろう……」

「そういえば、セルクルタウンに到着する前も様子がおかしい時がありましたね。あの時は雰囲気が少しカッコいいかなと思いましたけど、今はただ怖いだけですね……」

「あのポケモン、なんか危険な奴じゃないよな……?」

「それもわからないし、これが終わったらちゃんと話を……」

 

 

 その時、ネモの肩が静かに叩かれた。そして叩いた人物の姿にネモ達が驚く中、ハイダイはぺリッパーをボールにしまい、困ったような顔をした。

 

 

「うーむ、そうか……ここまで圧倒されるのは久しぶりだな。だが、ジムリーダーである以上、最後まで諦めずに行くんだい。因みに、ポケモンの交代は良いか?」

「……このままでも良いですけど、もう一匹の仲間にも出番をあげたいので交代します。戻って、ウネルミナモ」

 

 

 淡々と言いながらウネルミナモをボールに戻すと、ユウはテツノイサハが入ったボールを手にしながらシュリに話しかけた。

 

 

「シュリ、テツノイサハの技は?」

「…………」

「シュリ?」

「……ナンデモナイシ。ワザハ……」

 

 

 シュリから技を聞くと、ユウは無表情でボールを投げ上げた。

 

 

「行ってきて、テツノイサハ」

「コロロ!」

 

 

 そして現れたテツノイサハの姿に観客がざわめく中、ハイダイは腕を組みながら驚いた様子を見せた。

 

 

「また見た事がないポケモンなんだい……だが、だからといって恐れる気はないんだい! さあ、行くぞ! ケケンカニ!」

 

 

 ハイダイはモンスターボールからケケンカニを繰り出すと、それと同時にテラスタルオーブを取り出した。

 

 

「最後の一匹だ、盛大に大変身するんだい! さあさ、お立ち会い! 水もしたたる良いポケモン、その味をご賞味あれなんだい!」

「…………」

 

 

 そしてハイダイがテラスタルオーブを投げ上げ、ケケンカニが水タイプにテラスタルする中、ユウは焦る事なく口を開いた。

 

 

「テツノイサハ、エレキフィールド」

「コロロ!」

 

 

 テツノイサハが雄叫びを上げると、辺りに電気が走り、テツノイサハが黄色いオーラを纏う中でその様子にハイダイは辺りを見回し始めた。

 

 

「これは……だいぶ厄介そうだな」

「たぶん厄介じゃすみませんよ。テツノイサハ、くさわけ」

「コロロ!」

 

 

 テツノイサハは軽快な足取りで動くと、そのままケケンカニに向かっていった。

 

 

「くさわけか……だが、受け止めれば良いんだい! ケケンカニ、力比べだ! クラブハンマー!」

「ガニ!」

 

 

 ケケンカニはハサミを光らせると、テツノイサハのくさわけを受け止めたが、ユウは何も反応する事なく指示を出した。

 

 

「テツノイサハ、サイコブレイドで終わらせて」

「コロロ!」

 

 

 テツノイサハは返事をすると、首から赤い剣を突きだし、その剣は勢い良くケケンカニへと突き刺さった。

 

 

「ガニ!?」

「ケケンカニ!」

 

 

 サイコブレイドが直撃したケケンカニはよろめき、それを見たユウは邪悪な笑みを浮かべた。

 

 

「これでとどめだ! テツノイサハ、せいなるつるぎ!」

「コロロォ!」

 

 

 テツノイサハは雄々しく鳴き声を上げると、首元から光り輝く剣を出現させ、ケケンカニを勢い良く切りつけた。

 

 

「ガニ……!」

 

 

 傷ついたケケンカニはその場に倒れ、テラスタルが解除されてハイダイが悔しそうな顔をする中、ユウは勝ち誇った笑みを浮かべ、審判は信じられないといった様子で旗を掲げた。

 

 

「け、ケケンカニ戦闘不能。テツノイサハ……の勝ち。よって勝者……チャレンジャー、ユウ……」

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