夕方頃、テーブルシティに着いたユウ達はコライドン達から降り、街中を歩き始めた。そして長い階段を上がり終え、アカデミーの扉の前に着くと、そこにはクラベルとウェーニバルの姿があった。
「おかえりなさい、皆さん」
「あれ、校長先生? それとそのウェーニバルは……」
「はい、ネモさんのニャローテやアオイさんのアチゲータの同期にあたるクワッスさんが最終形まで進化なさった姿ですよ」
「わあ……君、あの時のクワッスなんだね!」
「ウェニ!」
ウェーニバルが嬉しそうに返事をした後、クラベルはユウを見ながら眉尻を下げた。
「ユウさん、カラフシティでは色々な事があったようですね。シュリさんの件もそうですし、一度力に溺れてしまった件もそうですし……」
「え? どうして知っているですか?」
「ふふ、私にはあらゆる事を教えてくれる小さな友達がいるんです。なので、皆さんがスター団の件に関わっている事も知っていますし、今回の件も予め知っていたのでこうして出迎えさせて頂いたわけです」
「なるほど……」
「さて、今回の件についてですが……ユウさんがバトルをしないとお決めになった事については残念ではありますが私は止めません。ユウさんが考えて決めた事ですからね」
「クラベル先生……」
ネモが哀しそうに言う中、ユウはネモをチラリと見てから微笑んだ。
「ありがとうございます、校長先生」
「いえいえ。ですが、またユウさんが楽しくバトルをしている姿が見られるのは楽しみにしていますからね」
「……ご期待には沿えないと思います。あ、そうだ……ネモ、ちょっとお願いがあるんだけど、聞いてもらっても良いかな?」
「え? うん、内容にもよるけど……なに?」
ネモが不思議そうに聞くと、ユウはシュリが入ったモンスターボールを取り出した。
「シュリを預かってほしいんだ」
「シュリを? もしかして顔を合わせられないから?」
「というよりは、シュリが僕と一緒にいたくないと思ってそうだからかな」
その言葉にネモ達が何も言えずにいる中、ユウはシュリが入ったモンスターボールを優しく撫でた。
「シュリ自身の気持ちを聞いたわけじゃないけど、あまりいい気分じゃないのはたしかだと思うんだ」
「ユウ……」
「だからネモに預かってほしいんだ。この中では一番ネモがシュリと一緒にいるから一番我が儘も言いやすいだろうし、バトル好き同士で気も合うだろうから」
「……わかった。それじゃあしばらく預かるけど、ちゃんと仲直りはするんだよ」
「うん。シュリ、我が儘も控えめにしてネモをあまり困らせないようにするんだよ?」
モンスターボールを撫でながら言った後、ユウはネモにボールを渡した。
「さて、時間も時間ですし、皆さんもそろそろ部屋に戻りましょうか。旅でお疲れでしょうし」
クラベルの言葉に頷いた後、ユウ達はアカデミーのドアを開けて中へと入っていった。