「行きなさい、チャデス!」
「行くよ、マフィティフ!」
二人のポケモンがそれぞれ鳴き声を上げる中、ネモはチャデスの姿に目を輝かせた。
「わあ、見た事ないポケモンだ! チャデスっていうんだね!」
「みたいだね。でも、なんとなくゴーストタイプのヤバチャにも似てるし、あのチャデスもゴーストタイプかもね。ヤバチャの進化後のポットデスに名前も似てるし」
「あ、たしかに。ユウ君、よく気づいたね」
「シュリに毎回解説してもらうのも悪いかと思って少しずつポケモンの勉強をしてたんだ。だから、ドドゲザンもキリキザンの進化後かなと思えたんだけど、それだけじゃやっぱりどうにもならなかったよ」
「トップの強さは本当にスゴいからね。さて、ハルトはどう戦うかな」
ユウ達が見守る中、ゼイユは髪をかき上げてから右手を前に伸ばした。
「先攻はもらうわ。チャデス、しびれごな」
「マフィティフ、みがわり」
ハルトの落ち着いた声に対してマフィティフは頷いて応えると、白い光を放った。そしてチャデスから発生したしびれごなが飛んでいったが、目の前に小さな人形を出現させたマフィティフはピンピンとしていた。
「ヴォフ」
「みがわり……! 厄介な技を持ってるわね!」
「状態異常は怖いから。マフィティフ、つめとぎ」
「ワフ!」
マフィティフが地面をひっかいて自身のステータスを上げていると、ゼイユは焦った様子を見せた。
「みがわりがあるから状態異常が効かない上にダメージをみがわりが受けて、その間に攻撃力と命中率を上げてくる……! ブライア先生が期待する程の実力はたしかにあるようね……!」
「それはどうも。でも、そっちだってこのまま負ける気はないでしょ?」
「当然よ! チャデス、ねっとう!」
「チャデ!」
チャデスは口からねっとうを吐き出し、みがわりはそれを受けたが、みがわりは消えずに残った。
「なんでよ! 壊れなさいよ!」
「特殊攻撃力に自信があったようだけど、その程度じゃウチのマフィティフには敵わないよ。マフィティフ、つめとぎ」
「ヴァフ!」
マフィティフが再びステータスを上げていると、ゼイユの表情に更に焦りの色が浮かんだ。
「マズイ……! チャデス、ギガドレイン!」
「デッス!」
ゼイユの指示に従ってチャデスはギガドレインを使うと、みがわりは静かに消えたが、ハルトはため息をついた。
「急いては事を仕損じる、だよ。みがわりを壊そうとして出来たその隙、突かせてもらうよ。マフィティフ、そのままかみくだく」
「ヴォフ!」
マフィティフは大きく吠えると、チャデスにかみくだくを使った。
「チャデ……!」
「チャデス……!」
かみくだくを受けたチャデスはその場に落ちると目を回した。
「チャデ……」
「僕達の勝ちだ」
雄々しく立つマフィティフの後ろでハルトは静かに言った。