「それが、ミライドンとコライドンのボール……」
「それじゃあそれに入れてあげれば良いんだね
「そういう事だ。それでこのボールなんだが……誰かに預けたいんだ」
「それってもしかして……」
「……ああ、まだ気持ちの整理がついてないからな。だから、頼む。 誰かコイツを預かってくれ」
コライドンのボールを持ちながらペパーが頼む中、ユウはネモ達と顔を見合わせる。
「そういう事なら良いけど……」
「誰が預かるか、だよね」
「うーん……預かる分には良いけど、どうお世話するかも考えないとだし……」
ユウ達は顔を見合わせながら唸った。そしてユウとネモが考える中でアオイは恐る恐る手を挙げた。
「それじゃあ……私が預かっても良いかな?」
「アオイちゃん?」
「実は私……最初に見た時から、コライドンの事をかっこいいなと思ってたんだ。 だから二人さえよかったら私がお世話をしたいなって」
「うん、僕は良いよ。ネモは?」
「私も大丈夫。コライドンはどうかな?」
ネモがコライドンの身体を軽く叩きながら聞くと、コライドンはアオイに顔を近づけてから頭をアオイの手に擦り付けた。
「ギャウス」
「コライドン……ふふっ、ありがとう」
「よし……それじゃあコライドンはアオイに任せるぞ。コライドン、くれぐれもアオイに迷惑かけんじゃねえぞ?」
「アギャス!」
「……返事だけは良い子ちゃんだな。という事で、渡すな、アオイ」
「うん、大切に預かるね」
ペパーからボールを受け取った後、アオイはハルトと共にそれぞれのポケモンを戻した。
「これでよし、と」
「それにしても、二匹とも不思議なポケモンだよね。モトトカゲって いうポケモンにも似てるけど……」
「似ているだけじゃなく、背中に乗る事も出来るよ。ライドフォルムっていって、ボールから出してからお願いすれば変形して乗せてくれるはずだから、後で試してみるといい かもね」
「そうなんだ……教えてくれてありがとね、ハルト君」
「どういたしまして。さて、これで人目をひかずに歩けそうだね」
ハルトの言葉にクラベルは微笑みながら頷く。
「そうですね。さて……そろそろ教室へ行かないといけませんし、少し急ぎましょうか」
「教室……って事は自己紹介をしないといけないのか……」
「ソレハシカタナイシ。カクゴヲキメルシ」
「はあ……」
ユウが憂鬱そうにため息をつき、全員でゆっくりと歩き始めた。そして階段を登って広場を通り、もう一つの階段を登ろうとしたその時だった。
「あれ? 何か声が聞こえない?」
「声……あ、本当だ」
「……気になりますね。皆さん、見に行きましょう」
クラベルの言葉に全員が頷いた後、声の出所へ向けて急ぎ始めた。