「え、オーガポンが……」
「つ、ついてきてくれるんだべ……!?」
『他の誰かが来たら隠れさせてもらうけどね。けれど、貴方達と看板を巡ってあの出来事がどのように捉えられているのか見るのは悪くないと思う。もっとも、さっきのスグリ君の言葉から察するに良いように捉えられていないようだけど』
「う、それは……」
スグリが申し訳なさそうに目をそらす中、オーガポンは笑みを浮かべながら首を横に振る。
『仕方ない事だから気にしないで。向けられる視線や感情が怖くて村には中々近づけないけど、アタシだって昔はちょっと悪かったし、そのツケを今払ってると思えば良いんだから』
「え、そうなの?」
『このキタカミに来る前の話だけど、イタズラをして楽しんだり興味が出たものをちょっと拝借したりしてたのよ。スグリ君からすれば幻滅するような事実かもしれないけど』
「幻滅はしないけど……意外ではあったべ。鬼さまは複数人相手でも怯むことなく戦う勇猛さがあって、とてもカッコいいポケモンのイメージだったけど、実際はわやめんこくて穏やかな感じだったから。でも、そんな鬼さまでもおれは大好きだ」
『そう……そう言ってもらえて少し安心した。という事で二人とも、これからよろし──』
「おーい、スグリー!」
「え?」
スグリが不思議そうに顔を向けると、少し離れたところからオーガポンのお面に似たお面を被った二人の人物が歩いてきており、それを見たスグリの表情に焦りの色が浮かんだ。
「き、鬼面衆だ……!」
「鬼面衆って?」
「ポケモンバトルが強い村の大人達で作られたグループで、子供達の足腰を鍛えたり勝負の楽しさを教えたりするために活動してるんだ。でも、どうしよう……このままじゃ隠れる前に鬼さまが見つかってしまうべ……!」
「たしかに……」
オーガポンから手を離したユウがスグリと共に焦る中、シンはオーガポンの頭に手を置いた。
『じゃあボク達はあの人間達がいなくなるまでどっかに行ってるよ』
「どこかって……あ、テレポートだね!」
『そゆこと~。それじゃあまた後で~』
そう言ってシンがオーガポンと共に姿を消し、ユウ達がホッとしながら胸を撫で下ろしていると、鬼面衆達はスグリの目の前で足を止めた。
「やはりスグリか。お前達が最後だぞ」
「うぅ、やっぱり……」
「ライドポケモンに乗ってる組が二つあって、ネモとゼイユさんのチームも出発してから少し経ってるしね。そういえば、オリエンテーリングの途中で課題があると聞いたんですが、ここでその課題をやるんですか?」
「おう、そうだ。さっきまでポケモンの回復をしていたから席を外していたが、バッチリ回復もしたからこれで問題はないぞ」
「回復……え、まさか……!」
ユウがハッとする中、鬼面衆の一人は二人を見回した。
「第一の課題、それは私達とのバトルだ」