「……ほう、雰囲気が変わったな」
「だな。だけど、状況が俺達にとって有利なのは変わらない。このままガンガン行くぜ! ヘラクロス、オオタチにインファイト!」
「ライチュウ、あまごいだ」
「ヘラクロッ!」
「ライッ!」
ライチュウが両手を握り合わせて祈る中、ヘラクロスはオオタチとの距離を詰める。そして雨が降り出す中でヘラクロスの拳がオオタチに迫っていったが、オオタチはニヤリと笑った。
「オオタチ、こらえる」
「オタッ!」
返事をしたオオタチはヘラクロスのインファイトを受け続けた。その光景をユウがハラハラした様子で見る中、スグリは落ち着いた表情でそれを見ていた。そしてヘラクロスの攻撃が終わり、傷だらけのオオタチが荒く息をしていると、ユウは不安そうな顔でスグリに話しかけた。
「スグリ君、このままじゃ……」
「大丈夫だ。オオタチ、このまま行くぞ」
「オタッ……!」
「ホムラ、ライチュウにりゅうのはどうだ」
「グ、グォ……」
ホムラは心配そうな視線をオオタチに向けながら返事をした後、ライチュウに向けてりゅうのはどうを放った。そしてライチュウに命中する直前でライキリは指示を出した。
「ライチュウ、回避してからオオタチにかみなりパンチだ!」
「ヘラクロス、お前はリザードにインファイトだ!」
「ライ!」
「ヘラ!」
頷きながら返事をすると、ライチュウはりゅうのはどうを避けてから雷をまとった拳をオオタチに振るおうとし、ヘラクロスはりゅうのはどうを放った直後で隙だらけになっていたホムラへと向かっていった。
「スグリ君……!」
「……今だ! オオタチ、ライチュウにがむしゃらだ! ホムラはヘラクロスにだいもんじ!」
「オタ!」
「グルォ!」
ホムラが向かってきたヘラクロスにだいもんじを放つ中、オオタチはライチュウのかみなりパンチを長い身体をくねらせて避けると、ライチュウに対して
「オッタ! オタ! オッタァ!」
「ラ、ライ……!」
オオタチと同程度にダメージを受けたライチュウが膝をつき、だいもんじをもろに受けたヘラクロスが苦しそうな表情を浮かべると、ライキリとコテツは動揺した様子を見せた。
「ぐ、ここまでやるとは……!」
「だな……だけど、まだ負けたわけじゃない! ヘラクロス、リザードにロックブラスト!」
「ライチュウはオオタチにかみなりパンチ──」
「オオタチ、ライチュウにふいうち! ホムラはロックブラストを避けながらヘラクロスに近づけ!」
「オタ!」
「グルォ!」
瞬時に距離を詰めたオオタチによって振るわれた一撃がライチュウの体力を削りきる中、少しずつ距離を詰めてくるホムラの姿にコテツの頬に一筋の汗が伝う。
「まずい……! ヘラクロス、向かってくるリザードにインファイ──」
「オオタチの事さ忘れてもらっては困るべ!」
「しまっ……!」
「オオタチ、がむしゃら! ホムラはだいもんじ!」
「オタッ!」
「ガアッ!」
オオタチががむしゃらでヘラクロスにダメージを与えた後、ホムラは間髪を入れずにヘラクロスにだいもんじを放つ。そしてそれによってヘラクロスは先に倒れていたライチュウの上に重なる形で倒れこむと、それを見ながらスグリは小さく息をついた。
「……俺達の、勝ちだ」