ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第二百三十一話

 ピクニックが終了し、ジニアと別れてから十数分後、ユウ達は二つ目の看板があるキタカミセンターに向けて歩いていた。

 

 

「キタカミセンターかぁ……さっきのともっこプラザと違って人は多そうだし、オーガポンの姿を見られたら困るよね。ねえ、スグリ君。キタカミセンターって人の数はやっぱり多いのかな?」

「…………」

「スグリ君?」

「……え? あ、ごめん……ちょっと考え事してた」

「それは良いけど、何を考えてたの?」

 

 

 タマゴを抱えながらユウが首を傾げると、スグリは真剣な表情を浮かべた。

 

 

「さっきの話だ。おれ、バトルは好きなんだけどそんなに強くなくて、強い人って特別な事をしてたり何か特別な人なんだって思ってたんだ」

「そう? 一つ目の看板の時のバトルは本当にスゴかったと思うし、もしかしなくても僕より強いと思うよ?」

「そんな事ないべ。それに、ブルベリーグの四天王やチャンピオン、他のリーグ部員やねーちゃんみたいにもっと強い人は多いし、おれなんてまだまだだ。でも、さっきのユウやジニア先生の話を聞いて思ったんだ。強さを手に入れるのに特別な方法や特別な奴である必要はない。色々なポケモンや戦い方を知ってそれを知識として蓄えて、バトルを繰り返しながら努力を続ければ良いんだって」

「うん、僕もそう思うよ。だけど、もちろん無理は禁物だし、他の事にも目を向けないといけないよ? 健康面や食事面もそうだけど、ポケモン達の気持ちや周囲の人達の事だってそうだしね。まあ一度良くない方に行きかけた僕が言えた事ではないけどね」

「ううん、そんな事はない。おれもしっかりと気を付けるよ。だから……時間がある時に料理について教えてくれ。ピクニックの時のオオタチ達、スゴく嬉しそうだったし、良いパフォーマンスのためには心も身体も健康じゃないといけないからな」

「もちろん良いよ。あまり料理をしない人でも作りやすい料理のレシピと基本的な事について纏めたノートを後で作っておくね」

「うん、ありがとう。ところで、このイーブイは一緒についてきて大丈夫なのか?」

 

 

 スグリが足元に視線を向けると、イーブイはスグリを見上げながらニコリと笑い、ユウはタマゴをスグリに渡してからイーブイを静かに抱き上げた。

 

 

『一人きりよりもみんなと一緒の方が楽しそうだからね! 私、楽しい事が大好きなんだ! だから今日一日付き合わせてほしいな!』

「それは良いけど……鬼さまといいイーブイといい出発した時よりも賑やかになったな。にへへ、なんだか良いな、こういうの」

「うん、そうだね。あ、それと……スグリ君は一度ネモと話してみても良いかもよ?」

「え、ネモさんと?」

「うん。ネモは生徒会長でありチャンピオンクラスでもあるんだけど、勉強やバトルについても努力家な上に勝っても負けてもバトルを楽しんでるし、色々な知識もあるからバトルや育て方のコツを教えてもらうのもありだよ。その時は学ぶなら()るのが一番乗りって言ってバトルを申し込まれそうだけどね」

「あはは、んだな。あ、そろそろキタカミセンターに着くぞ」

 

 

 スグリが指差す方にはヒスイガーディを象った石像や長い階段があり、ユウ達はそのまま上がっていった。そして長い階段を上がり続け、最後の段を上った時、ユウは嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

 

「あ、ネモ!」

「ん……あ、ユウ達だ! おーい!」

 

 

 ユウの声に対してネモはゼイユの隣に立ちながら嬉しそうに手を振った。

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