クロハや自分達のポケモンを伴ってゼイユとスグリがポケモン達を追いかけていった後、シュリはユウに話しかけた。
「ユウ、シュリヲアタマノウエニノセルシ」
「うん、それは良いけど……今の僕の頭の上には乗りたくないかなと思ってたからちょっと驚いちゃった」
「アノトキノユウダッタラソウダシ。ケド、イマノユウダッタラベツニイイシ。ソレニナガメガイイホウガヤッパリシジハダシヤスイシ」
「まあそうだね。それじゃあ乗っけるよ」
「オッケーダシ」
シュリはユウの頭の上に乗ると、満足そうな様子を見せた。
「ウムウム、ヤッパリノリゴコチガイイシ。コレナラシジダシモバッチリダシ」
「それなら良かった。それで、どんな方法でこの課題をクリアするの?」
「それは私も気になるかな。この辺りに詳しい二人に追いかける役を任せたのは良いとしても逃げてるポケモン達は基本的に素早いポケモンだったり逃げるのが得意そうだったりするし、ここからじゃシュリの指示はゼイユ達には届かない。この状況はかなり不利だよ?」
「タシカニソウダシ。ケド、ニゲラレナクナッタラドウダシ?」
「え、どういう事?」
ユウが不思議そうにする中、シュリはムネチカ達に話しかけた。
「コノカダイニオイテキンシサレテイルコトハアルシ?」
「これといってはないかな。トレーナーである私達を人質にするみたいな非道な手段は流石にルール違反だけどね」
「因みに、ここに先に到着した二つのペアはどちらも見慣れないポケモンを見事に操り、逃げる役のポケモン達を的確に追い詰めてきのみをまとめて集めてくる事でクリアしていた。まあそれが正攻法ではあるな」
「タシカニソウダシ。ケド、ウチニハコノカダイニオイテカナリノキョウキャラガイルシ。サアソノウデヲミセツケルシ、ユウ!」
「腕……あ、そういう事か!」
ユウはハッとするとテキパキと作業を始めた。そしてテーブルや食器などの準備が整うと、ユウは大きく息を吐いた。
「……よし、始めるよ」
「ウムダシ。サアゼンリョクデツクッテイクシ!」
「うん!」
ユウは大きく頷くと、調理に取り掛かり始め、キタカミセンターには嗅いだ者を魅了するような香りが漂い始めた。
「あ、そっか! 三大欲求である食欲は私達だけじゃなくポケモン達にとっても欠かせないし抗いづらいもの! となれば、それを刺激する事で逃げているポケモン達を無理矢理引き寄せる事だって出来る!」
「ソノトオリダシ。カザムキモモンダイナイシ、カオリヲタドレバクロハモモドッテキヤスクナルシ」
「うん! この作戦ならきっと──」
「それはどうかな?」
「え?」
ネモが疑問の声を上げる中でムネチカはお面の奥で余裕そうな笑みを浮かべていた。
「中々面白い作戦だと思う。たしかに美味しそうな香りというのは人もポケモンも魅了するものだからね」
「正直な事を言えば、少し前に食事をしたばかりの私達もこの香りの前には負けを認めてしまいそうだ」
「だけど、こちらにはその作戦に対しての最高の答えがある! カビゴン、食事の時間だ!」
「カビ!」
カビゴンはその巨体を揺らしながらユウに近づくと、出来上がっていく料理を次々と平らげ始めた。
「は、早い! ユウも並行で作業をしながら手早く料理を作り続けているのに食べるスピードもそれに負けてない……!」
「カビゴンは一日に400キロもの食べ物を食べるんだ。このくらいの量なんておやつ程度なんだよ」
「一学生がこの課題を知ったばかりの状態でそれだけの量の食材を用意しているわけがない」
「さて、この状況をどう切り抜けるのか見せてもらうよ!」
ユウとカビゴンが激闘を繰り広げる中、ムネチカは腕を組みながら言った。