「ど、どうしよう……食材もそうだけど、ユウだっていつかは疲れちゃうし、このままじゃユウが大変だよ……」
ネモが心配そうに見守る中、ユウはカビゴンの様子を見ながら料理を続けた。
「……カビゴンの食欲が衰える様子はない、か」
「イチニチニタベルリョウガダンチガイナポケモンダカラコレクライハソウテイナイダシ。ソシテ、シュリノカンガエデハソロソロジョウキョウガカワッテクルハズダシ」
シュリの視線の先でカビゴンが食事を続けていたその時、その様子を見ていたドレディアが哀しそうな顔をし始めた。
「ディア……」
「あれ? ドレディア、どうしたんだろ?」
「ネモ、ダレカガダレノモノデモナイオイシソウナモノヲヒトリダケデタベテイタラドウオモウシ?」
「え? うーん……羨ましいとは思うし、なんで一人で食べてるのかなと思うかな。もちろん私の物でもないけど、分けてほしいとは思うよ。みんなで食べた方が美味しいもん」
「ソレガドレディアノキモチダシ。タダソレダケジャナクカビゴンノタベスギニモシンパイシテルシ。カビゴントイウポケモンガタイショクカンデツヨイショウカリョクヲモッテイテモヤッパリミテイテハラハラスルシ、ポンポンガイタイイタイニナッタラタイヘンダシ」
「ポンポンって……可愛い言い方知ってるね、シュリ」
ネモが苦笑いを浮かべる中、ドレディアは何かを決意したような表情でカビゴンに近づいた。そしてドレディアが頭を軽く振り始めると、辺りには豊潤な香りが漂い始めた。
「良い香り……嗅いでると気持ちが落ち着いてくるし、ずっと嗅いでいたくなる……」
「ドレディアノアタマノハナカザリハカイダモノヲリラックスサセルコウカガアルシ。テイレガムズカシイケドソノカオリハトテモミゴトデ、ソダッタツチノセイブンニヨッテソノカオリハスコシズツカワルソウダシ。ソシテネモ、イッパイタベモノヲタベタアトハドウナルシ?」
「そうだなぁ……いっぱい食べて元気が出た分、今度はいっぱいバトルがしたいってなる!」
「ネモイシ……ネモハソウダトオモウケド、イッパンテキニハネムクナルンダシ。ソシテソレハポケモンダッテレイガイデハナイシ」
その言葉と同時にカビゴンは一度食べるのを止めると大きな欠伸をした。そしてそのまま仰向けに寝転がると、カビゴンは目を擦り始め、やがて大きないびきをかき始めた。
「カビゴン……!」
「カビゴンが眠っちゃった!」
「ヨロコンデバクバクタベテタノガアダトナッタシ。オナカガミタサレテイクトドウジニツヨクナッテイクネムケトリラックスコウカノアルカオリ、コノフタツノマエニハカビゴンダッテカテナイシ!」
「くっ……け、けど! 追いかけていった組はまだ戻ってきていない! それに、逃げているポケモン達は逃げるのが得意な素早いポケモン達ばかりだ!」
「ポケモン達が逃げている間にカビゴンを起こせば……!」
ムネチカとカネチカが焦った様子を見せていたその時、キタカミセンターにはクロハ達や逃げていたポケモン達を伴ったスグリ達が姿を見せた。
「ユウ! ネモさん! きのみ、集めてきたべ!」
「手こずったけど、全員から奪ってきたわ!」
「なっ……!」
「な、何故だ!? 自分達の意思で好きなように動き回るポケモン達を相手にしてライドポケモンなしでこんなに早く戻って来られるはずがない!」
ムネチカとカネチカが驚く中、シュリは静かに口を開いた。
「カンタンナハナシダシ。ユウハサッキカラリョウリヲツクリツヅケ、ソノカオリハカゼニノッテコノシュウヘンドコロカモットトオクマデヒロガッテイルシ。ソレダケデモポケモンタチノウゴキヲニブラセルケド、ドレディアノハッスルカオリマデクワワッタラヒトタマリモナイシ。ツマリリョウリヲツクラセテシマッタジテンデカチハキマッテタンダシ!」
「くっ……!」
「ポケモンノワザノアマイカオリカラチャクソウヲエタアロマトラップサクセンダイセイコウダシ。コレデシュリタチノカンゼンショウリダシ!」
「ポッチャマ!」
ユウの頭の上でシュリが胸を張る中、スグリに抱き抱えられているポッチャマもそれを真似するかのように胸を張った。