「……なるほど、そんな事があったんだね」
話が終わると、ネモはオーガポンに視線を向け、目線を合わせながらその頭を優しく撫でた。
「ぽに~……」
「鬼っていうから結構厳つかったり怖かったりするのかなと思ってたけど、とっても可愛いポケモンだったんだね。それでいて強いわけだし、一度お手合わせ願いたいな……」
「バトルの申し込みについては後で。まあでも鬼がこんな見た目だったのはたしかに予想外だったわね。スグ、あんた的にはどうなの?」
「おれは別に構わないべ。わやめんこいし、大好きなのは変わらない」
「そう。さて、さっき聞いた話についてだけど……あたし達が知ってる昔話と真実が違うっぽいのは間違いないのよね?」
ユウは真剣な顔で頷く。
「はい。そういえば……シン、一つ目の看板の時にともっこ達は何かを探してるって言ってたけど、それって何なの?」
『それは看板を見ればわかるよ。という事で、早速チェックチェックー』
「うん。でも、その前に記念撮影をしないとね」
「だね! よし、それじゃあみんなで撮ろうか」
オーガポンやイーブイを交えた記念撮影を終え、ユウ達は看板に目を向ける。そして書かれている昔話を読み終えると、ユウ達はシンに視線を戻した。
「オーガポンのお面の事が書かれてたけど、探し物はお面なの?」
『そだよ。もうユウ達には説明してるけど、鬼ちゃんことオーガポンは被るお面によってタイプを増やしたり特性を変えたり出来る。それはあくまでも鬼ちゃんだけの能力なんだけど、お面自体もとっても素晴らしい出来なんだよ』
「素晴らしい出来……そうなの? 二人とも」
「うん、綺麗なお面なのは間違いないべ」
「昔話的にオーガポンは悪役だけど、少なくとも、ここに保管されている三つのお面を悪く言う人はいないわね」
「あ、ここに保管されてるんだ」
ネモの言葉にシンが頷く。
『そうみたい。因みに、鬼ちゃんが持ってるのがみどりのめんで、他三つがそれぞれかまどのめんといどのめん、そしていしずえのめんって名前のようだよ。それで、被るお面によって袖の辺りの色も変わるんだ。おしゃれさんだよね~』
「タシカニダシ。ソレヲチョットミテミタイケド、ホカンサレテルオメンヲカッテニモチダスノハムズカシソウダシ」
「そうだね。さて、そろそろ三つ目の看板のところまで行きたいけど……」
ユウが空を見上げると、空は既にオレンジ色に染まっており、同じように空を見上げていたシュリは息をついた。
「タイムアップダシ。ヨイコハカエルジカンダシ」
「そうだね。それじゃあオーガポンとは一度お別れかな。今夜のお祭りには来るようだし、後でこっそり会う事にしよう」
「んだな。少し寂しいけど、また後でな、鬼さま」
「ぽに!」
「それじゃあシン、オーガポンの事お願いね」
『はいはーい。鬼ちゃん、行くよー』
シンがオーガポンと一緒に姿を消すと、ユウは腕の中のイーブイに視線を向けた。
「それじゃあ僕達も行こうか。イーブイ、君はどうする?」
『私もついてく! なんならこのままゲットしてくれて良いんだよ?』
「そう言ってるけど、どうするの? イーブイ、ゲットする?」
「ゲットは落ち着いてからかな。まずはみんなと合流したいしね」
そのユウの言葉に全員が頷いた後、ユウ達は公民館に向けて歩き始めた。