「頼むべ、オオタチ!」
「ユウ、ココハシュリガシジヲダスシ!」
「わかった。よし……頼んだよ、ミカヅチ!」
オオタチとミカヅチが現れると、ガチグマはより大きな雄叫びを上げた。
「ワギアアアア!!」
「サテ、ホントウニハジメテノアイテダカラ、サグリナガラノバトルニナルシ。ケド、リングマニチカイミタメヲシテルコトカラ、タイプハノーマルダトオモワレルシ」
「ノーマルタイプ……そうなると格闘タイプがいればバトルが楽になるけど、おれのニョロゾはまだニョロボンに進化してないし、格闘タイプの技も持ってないから出してもあまり活躍させられないな……」
「ソレハシカタナイシ。サテ、チョットシタジッケンヲシテイクシ。ミカヅチ、あまごいダシ!」
「オオタチはとりあえずふいうちだ!」
「ピッカ!」
「オタッチ!」
ミカヅチが両手を広げすぐさま雨が振りだす中、ガチグマがのっそりと動き出すと、オオタチは瞬時に距離を詰めて腹部に鋭い一撃を加えた。その攻撃によってガチグマは小さく呻き声を上げたが、すぐに体勢を整えるとオオタチの身体を爪で力いっぱいに引っかいた。
「グマァ!」
「オタ……!」
「オオタチ!」
ガチグマの攻撃によってオオタチは大きなダメージを受けると、そのまま倒れこみ目を回した。
「オタ……」
「そんな、オオタチ……」
「イマノハきりさくダケド……オオタチヲイッパツデタオスアタリ、レベルガチガイスギルシ。コイツ、ソウゾウシテルヨリモツヨイシ」
「みたいだね……そういえば、さっき言ってた実験ってなんなの?」
「タイプハンベツノジッケンダシ。ミカヅチ、かみなりダシ!」
「ピカ!」
返事をしたミカヅチが放電し、ガチグマにかみなりが命中したが、ガチグマはまったく効いていない様子でかみなりを打ち消した。
「ワギア!」
「ぜ、全然効いてない……!」
「コレデハッキリシタシ。コイツ、ジメンタイプヲモッテルシ!」
「地面タイプ……それじゃあ、今度はコイツだ! やるぞ、ニョロゾ!」
スグリがニョロゾを繰り出すと、シュリは満足げに頷いた。
「ウムダシ。ジメンタイプヲモッテルトワカレバ、アトハタイプアイショウヲイカシテセメテイクシカナイシ。タダ、ミカヅチガツカエルミズタイプノワザガなみのりナンダシ……」
「大丈夫。ニョロゾの特性はちょすいだから!」
「ダッタラエンリョナクイクシ! ミカヅチ、なみのりダシ!」
「ニョロゾはみずのはどうだ!」
「ピカ!」
「ニョロ!」
ミカヅチが大きな波と共にガチグマに突撃し、ニョロゾがみずのはどうを放つと、ガチグマを中心に大きな爆発が起きた。
「ドンナモンジャ! ダシ!」
「これなら……いけるべ!」
シュリが胸を張り、スグリがガッツポーズをしていたその時、煙の向こうから赤い光線が飛び出し、それはニョロゾを包み込んだ。
「……え?」
「ナ、ナンダシ……?」
スグリとシュリが呆気に取られている内にニョロゾは瀕死状態になり、それにミカヅチが気を取られている間にガチグマは両腕を大地に叩きつけ、ミカヅチの足元からはエネルギーが放出された。
「ピカァ……!」
「ミカヅチ!」
ユウの声が響く中、ミカヅチは瀕死状態になり、その光景にスグリは力なく膝をついた。
「こ、こんな事って……」
「コレハツヨイナンテモンジャナイシ……カクジツニイマタタカッテカテルヨウナアイテジャナイシ……!」
ユウの頭の上でシュリが悔しそうな声を上げていると、ユウはその姿を心配そうに見た。そして何かを決意したように小さく頷くと、ミカヅチをボールに戻してからシュリを優しく抱き上げた。
「ユウ……?」
「……たぶんこれが最適なんだ」
そしてシュリをスグリの肩に乗せると、ユウはガチグマの前に立ち塞がった。
「グル……?」
「ユ、ユウ……!」
「ナニヲシテルシ! モドッテクルシ!」
「……二人は先に逃げて」
「フ、フザケルナダシ!」
「そうだ! ユウを置いて逃げるなんて出来るわけねぇべ!」
シュリとスグリの声を聞き、ユウは振り返ると、哀しそうな笑みを浮かべた。
「元々は僕がうっかりフラッシュを焚いたからこんな事になったんだ。だから、僕がここは引き受けるよ」
「ユウ……」
「それに、友達がピンチな時に一人だけ安全圏にいて、何もしないなんてやっぱり出来ない。そんなんじゃ僕は二人の友達だなんて言えないし、ネモやハルト君、そしてゼイユさんにだって顔向けが出来ないよ」
「け、けど……ユウ、今はバトルが出来ないって……」
「……そうだね。バトルをするのはまだ早いと思う。けど、そんな事は言ってられない。だから!」
ユウはガチグマを真正面から見つめると、モンスターボールを一つ取り出した。
「ここからは僕が相手するよ! ガチグマ!」