ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第二百五十三話

「勝てたね、スグリ君。さっきのふいうちは本当に助かったよ」

「にへへ……おれは出来る事をやっただけだべ。ユウだって久しぶりのバトルにしては本当に強かったって思う。やっぱりユウはスゴいんだな」

「ホムラ達が頑張ってくれたからでもあるし、シュリとスグリ君がガチグマの体力をしっかり減らしてくれていたからだよ。そうじゃなかったらソーラービームで倒しきれなかっただろうし」

「いやいや、おれの手持ちだと正直攻め手に欠けていたから本当に助けられたのはおれだべ」

「いやいや、スグリ君達が頑張っている姿に背中を押されたようなものだから」

 

 

 握手をしたままでユウとスグリが話していると、シュリはやれやれといった様子で首を横に振った。

 

 

「フタリソロッテナニシテルシ……ホント、ジココウテイカンガヒクイヤツッテメンドウダシ。ドッチモスゴカッタッテイウケツロンデイイシ」

「それは……まあ……」

「たしかに……」

「マッタクーダシ。ホラ、ミンナモキタシ」

 

 

 それを聞いてユウ達が振り向くと、ネモ達はすぐに近づき、ネモは涙で目を潤ませながらユウを抱き締めた。

 

 

「ユウのバカ! 本当に心配したんだよ!」

「うん、ごめんね。オーガポンに早くお面を返してあげたくて少し焦ってたんだ。でも、心配をかけた事は間違いない。本当にごめん」

「……気持ちはわかるから今回は許してあげる。それで、オーガポンには会えたの?」

「ううん、見失っちゃった。その代わり、サザレさんが探してたポケモンだと思うのには出会ったんだけど……サザレさん、どうですか?」

 

 

 ユウの問いかけに対してサザレは倒れたままのガチグマを観察してから頷く。

 

 

「そうだね。このポケモンこそが私が追っていた赫月と呼ばれるガチグマだよ」

「本当に大きなポケモンだね……それに、ホムラも進化してるし、このちょっとの間に色々な事があったみたいだね」

「それも強者を引き寄せるユウの特性によるものなのかもね。それで、このガチグマはどうしようか? サザレさんとしては写真を撮りたいと思いますけど、バトルの後で気は立ってると思いますし危険だと思いますよ」

「ああ、私も同意見だ。残念だけど、存在を確認出来ただけでもよしと……」

 

 

 その時、ガチグマは小さな唸り声を上げながら体を起こし、その動きにスグリやネモが警戒する中、ユウは小さく息をついてからガチグマに視線を向けた。

 

 

「……たぶん大丈夫だよ」

「え?」

「バトルになったのはネモに連絡を取ろうとして間違ってカメラのフラッシュを焚いたからだし、今は疲れもあって落ち着いてると思う」

「シュリモソンナキガスルシ。ユウ、トリアエズハナシテミルシ」

「うん、そうだね。ネモ、良いかな?」

「……うん。でも、注意はしてね? 危ないと思ったらすぐに離れてよ?」

 

 

 それに対してユウは頷くと、ネモから離れてガチグマに近づき、全員が見守る中でガチグマの肩に手を置いた。

 

 

「ガチグマ、改めてごめんね。驚かせた上にこんなに傷つけちゃって」

『……いや、ワシこそすまなかった。突然の事で頭に血が上り、お主達の仲間を多く傷つけてしまった。だが、今はすっかり落ち着いた。お主達との戦いを経てな』

「ソレナラヨカッタシ。オチツイテルナラシャシンサツエイヲシテモイイシ?」

『ああ、構わん。そこの娘にもそう伝えてくれ』

「うん、わかった」

 

 

 会話の内容を伝えると、サザレは嬉しそうな笑みを浮かべ、様々な写真を撮り始めた。そして撮影を終え、サザレが満足そうにしていると、ガチグマは自らユウの手に触れた。

 

 

『ユウ……といったか。お主に頼みがある』

「うん、それは良いけど……なに?」

 

 

 ユウの問いかけに対してガチグマは静かに答えた。

 

 

『ワシをお主の仲間に加えてはくれないか?』

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