ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第二百六十七話

「やるよ、アカツキ! ブラッドムーン!」

「ニャース、もう一度うらみつらみ!」

「ワギアー!」

「ニャ……!」

 

 

 アカツキのブラッドムーンとニャースのうらみつらみが命中すると、イイネイヌは膝をつき、その姿にスグリはガッツポーズをした。

 

 

「よし……! 今のでだいぶダメージを与えたみたいだべ!」

「これならいけるんじゃない? 復活したばかりっていうのもあるだろうけど、そんなに特殊攻撃には強くなさそうだし、こっちは四人もいるんだから」

「ソレハアリソウダシ。デモ、ユダンシチャイケナイシ。イッカイノユダンガピンチヲヨブコトモ──」

 

 

 その時、イイネイヌは立ち上がるとニャースへ向けて走り出し、その拳にはオレンジ色のオーラが宿り始めた。

 

 

「ヌダ……!」

「コレハ……ばかぢからダシ!」

「そんなの当たったらひとたまりもないべ!」

「ネモ! 早く回避の指示を……!」

「ううん、大丈夫だよ」

「え?」

 

 

 余裕ありげなネモの様子にユウが疑問を覚える中、イイネイヌの拳はニャースに振るわれた。しかし、その拳はニャースをすり抜けて空を切り、ネモとシュリを除いた全員がその光景に疑問を覚えた。

 

 

「ヌン……!?」

「ど、どういう事? あのニャースは鋼タイプのはずなのに……」

「……スガタハニャースダケド、アレハニャースジャナイシ」

「ニャースだけどニャースじゃない? なによそれ! 意味わかんないわ!?」

「カンタンナハナシダシ。ネモ、ソノニャースハホントウハゾロアダシ?」

 

 

 シュリがヒレで指し示しながら言うと、ネモはそれに対してニッと笑った。

 

 

「大正解! 仲間になってもらったからには色々知っておこうと思って詳しそうなレホール先生に聞いてみたんだ。そしたらノーマル/ゴーストタイプのポケモンで、ガチグマと同じヒスイ地方のポケモンだって知って驚いたよ」

「ノーマル/ゴースト!? 自分のタイプと格闘タイプの三つを無効に出来るのか……!?」

「その通り! そしてゾロアの特性のイリュージョンは姿こそ自分の他のポケモンと同じになるけど、タイプ相性自体は自分の物を参照するから格闘タイプであるばかぢからは効果がなかったってわけだね!」

「ジブンガムコウカデキルタイプヲジャクテンニモツポケモンニイリュージョンデヘンゲサセル。ネモハシッカリカンガエテルシ」

「ふふっ、ありがと。よーし、このまま行くよ! ニャース、ハイパーボイス!」

「アカツキ、だいちのちから!」

「グライガー、つばさでうつ!」

「キュウコン、だいもんじ!」

 

 

 四匹のポケモンは揃って返事をするとそれぞれのタイミングで技を繰り出した。そして技を受けたイイネイヌは身体中を傷だらけにしながらも立ち上がろうとしたが、その目が白目を向くと同時にその場に音を立てながら倒れこんだ。

 

 

「ともっこイッピキ、セイバイカンリョウダシ!」

 

 

 倒れ伏すイイネイヌを見ながらシュリは大きな声で言った。

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