「これは一体……き、君達がともっこさま達を……?」
「はい。鬼の、オーガポンのお面を取り戻すために必要だったので」
「鬼のお面……だがそれは、ともっこさま達が命を賭けて奪ったものだ」
「そうだそうだ! 狂暴な鬼に対して勇敢に立ち向かい、その命を賭けてでも奪い取って村のみんなを守ってくれたんだ! だから、さっきだってお渡ししたんだ!」
「だいたい、ともっこさまを傷つける必要だって無かったんじゃないのか!?」
村の住人達が次々にユウに対して声を荒らげ、その様子にネモやハルトが心配そうな視線を向け、スグリとゼイユが意を決して前に進み出ようとしたその時だった。
「……黙ってください」
ユウから静かな冷たい声が出ると、場が一瞬にして静まり返り、中にはユウを見ながら恐怖の表情を浮かべる者もいた。
「ゆ、ユウ君……?」
「おいおい……様子は違うけど、カラフシティの時と同じような雰囲気を出してるぞ!?」
「え!? それじゃあ止めないと……!」
「……ううん、大丈夫だよ」
「なに言ってるのよ!? このままじゃユウが良くない方に……!」
「ハルトの言う通りだよ。あの時は大変な事になりかけたけど、今のユウは大丈夫だってわかる。それに、今のユウを見てるとなんとなく感じるんだ。あれはあの時みたいな傲慢な感じじゃなく挫折を乗り越えた事で手に入れた厳しさも兼ね備えたユウの中の優しさの一つなんだって」
ハルトとネモの言葉を聞き、アオイやスグリが静かに見守る中、ユウは落ち着きはらった様子で口を開いた。
「皆さんが信じてやまないあの昔話、あれ自体がそもそも真実とは違うんです」
「し、真実とは違う……!?」
「はい。そもそもおかしいと思いませんか?」
「お、おかしいって何がだ!?」
「お面の件です。看板の中にはお面やオーガポンの力について説明した物があって、それからもわかるようにお面はオーガポンの物です」
「それがどうしたって言うんだ……!」
住人の一人が怯えながら言う中、ユウが視線を向けるとその住人はひっと小さな声を上げながら尻もちをついた。
「ともっこは倒れ際にオーガポンから三枚のお面を奪い、その力をほとんど封じたとされています。そして他の看板には怒り狂ったオーガポンが山から降りてきて、偶然居合わせたともっこ達がそれを追い返したとあります。それじゃあどうして鬼であるオーガポンはその日に限って怒り狂っていて、その時にともっこ達が居合わせたのでしょうか」
「そ、そんなのわかるわけが……」
「答えは簡単です。本当は鬼が被害者で、ともっこが加害者。ともっこ達はお面を盗み出してオーガポンを怒らせた張本人だからです!」
ユウの言葉にともっこ達が体をビクリと震わせ、住人達は衝撃を受けた様子でざわつき始めた。
「ともっこさま達が本当は悪者だった……!?」
「俺達は悪者を英雄として崇めていたっていうのか!?」
住人達のざわめきが大きくなり、ともっこ達の顔色が悪くなっていったその時、住人の一人が声を上げた。
「そんなのどこに証拠があるんだ!」
「そ、そうだ! それに、子供の考えなんてそう簡単に信じられるか!」
住人達の声はやがて大きくなっていき、その場の雰囲気がピリついた物になっていったその時だった。
「んじゃあ、俺達が信じれば納得するか?」
「え?」
驚くユウ達の目の前にユウを守るような形で鬼面衆が姿を現した。