「き、鬼面衆……!?」
「ライキリさんにコテツさん、それにムネチカさんにカネチカさんまで……」
「名前を覚えていてもらえて光栄だよ」
「でも、どうして鬼面衆が?」
ゼイユの問いかけに対してライキリは静かに答えた。
「ユキノシタさんから頼まれたからだ。同じく真実を知り、口伝で伝えてきた家の者として君達を助けてほしいと」
「う、ウチだけじゃなかったのか……!?」
「私達の先祖も初めは話を信じなかった。しかし、鬼の気性が荒々しい物ではなかった事、それどころか友好的だった事からスグリやゼイユの先祖であるお面職人の話には信憑性があると考えて、改めてお面職人に話を聞きに行き、それが真実だと感じた事で同じように周囲には隠して口伝で伝える事にしたのだ。他の者に話したところでそれを信じないどころか異分子として排するのは目に見えていたからな」
「このお面は仲間の証。表向きはみんなが知っているような内容で活動しているけれど、本当の目的はともっこの復活に備えての戦力の増強や正しい歴史の伝承などなんだ。それで、ユキノシタさんからともっこ達が復活したと聞いてどうにかしようとしに来たんだけど……」
「まさか三匹とも倒しているとは思わなかったな。けれど、おかげで暴れだす前に何とか出来そうだ。みんな、本当にありがとう」
鬼面衆の一人がユウ達にお礼を言い、別の鬼面衆はともっこ達に視線を向けた。
「さて、また眠っていてもらおうか。お前達の存在はこのキタカミにとって害となる。そんな奴らを野放しには……」
「あの、少し待ってもらえますか?」
ユウの落ち着いた声にその場にいた全員の視線がユウに集中する。
「どうかしたかな?」
「鬼面衆の皆さんからすれば不満かもしれませんが、一度ともっこ達からも話を聞いてみたいんです。一方から話を聞いて、もう一方からは聞かないというのも良くないですし、自分達には必要なさそうな物を無理やり奪ったからにはそれを使うための目的があるはずですから」
「……わかった。けれど、十分に気を付けてくれ」
「はい。シュリ、君も通訳をお願いして良い?」
「リョウカイダシ」
シュリが答えた後、ユウはともっこ達に近づき、イイネイヌの肩に手を置いた。
「話は聞いてたと思うけど、もう一度言うね。君達の話を聞かせてくれないかな?」
『それは良いが……あんた、俺らが怖くないのか?』
「怖くないよ。強さがどうとかじゃなく、今の君達からは悪意みたいなのを感じないし、さっきも必死になって坊っちゃんと呼んでいる誰かを探しているようだった。それが君達にとってどんな存在かはわからないけど、もしも大切な存在なら手伝う事だって出来るよ」
『……キミ、あまりにも人が良すぎない? ボク達がキミを利用するとか考えないの?』
「ソレガユウナンダシ。ホラ、サッサトハナスシ。オマエタチモユウガワルモノダッテオモッテナインダシ?」
『……たしかにそうだな。ちょいと先の未来を視させてもらったが、少なくとも、あっしらが傷つけられるような感じではなかった。信じるぜ、ユウの旦那』
「ありがとう。それじゃあお願いね、みんな」
ユウの言葉に頷いた後、ともっこ達はゆっくりと座り込み、ユウ達の視線を浴びながら話を始めた。