ユウ達とスグリ達が火花を散らす中、オーガポンはそれを見ながら心配そうな顔をした。
「ぽに……」
「オーガポンも心配だよね。自分がきっかけでこのバトルが始まったわけだから」
「当然ではあるけど、どちらも本気だからね。このバトル、正直者どちらが勝ってもおかしくないよ」
「本気と本気のぶつかり合い……見応えはあるけど、ちょっと哀しい戦いではあるよね」
「そうね。スグ……自分でも言ってたものね。これは八つ当たりだって」
「仕方ないとは言え、ここまで笑顔で終われる気がしないバトルも中々無いよな」
「はい……」
全員が静かに見守る中、スグリは腕を前に大きく突き出した。
「このまま行くぞ! カミッチュ、せいちょう!」
「カミッ!」
カミッチュが再びせいちょうで強化すると、シュリは頬に汗を垂らした。
「コレデダイブアガッテシマッタシ……ショウジキ、ゼッタイゼツメイデハアルシ」
「あっちはまだ全然ダメージを受けていない上に攻撃力と特殊攻撃力が格段に上がっていて、こっちは回避率と素早さを下げられている。まだ序盤とは言え、キツい展開ではあるね」
「マッタクダシ。トリアエズ、コノあめまみれヲドウニカシナイトヤバイシ。ベタベタシテイテツバサガウマクウゴカセナイノモアルケド、コレデアシヲトラレルナンテコトニナッタラメモアテラレナイシ」
「あめを……つまり、ドロドロにしてそのまま流しちゃえば良いんだよね?」
「ソウダケド……アア、ナルホドダシ。ソレナライイカモシレナイシ」
シュリが納得顔で頷く中、スグリは警戒した様子を見せた。
「な、なんだ……!? 何をする気だ……!?」
「こうするんだよ! ホムラ、弱火で上に向かってだいもんじ!」
「グォ!」
上を向いたホムラがだいもんじを放つと、それはホムラを囲むようにして垂れていき、だいもんじの炎によって翼に絡み付いていたあめは溶けながら地面に落ちていき、そのまま焦げながら辺りに流れ出していった。
「えっ……!? そんなやり方があるなんて……!?」
「カミ……!?」
「ドウダシ? コレデあめまみれデハナクナッタカラスバヤサモサガラナケレバ、ツバサダッテツカイホウダイダシ!」
「ぐ……負けない、負けたくない! フルパワーでりゅうのはどう!」
「カミッ!」
カミッチュがりゅうのはどうを放つと、それは地面を削りながらホムラへと迫った。
「だったら、こっちもフルパワーだ!」
「ホムラ、だいもんじダシ!」
「グオォ!」
ホムラから放たれただいもんじは離れているネモ達ですら軽く顔を背ける程の熱量で飛んでいき、りゅうのはどうとぶつかり合うと大きく爆発しながら強い衝撃波を発生させた。
「くっ……せいちょうで威力を上げているのに相殺されるなんて……!」
「カミ、カミカミ!」
「……んだな。負けたくない気持ちは俺達だって強いんだ。このまま攻めていけば……え!?」
顔を戻したスグリは目の前の光景に驚いた。煙の向こうには太陽の光を反射する何かがあり、煙が晴れていくと同時にそれは明らかになった。
「ドラゴンのテラスタルか……!」
「……そうだよ。これが僕達の全力。ホムラが見た目だけじゃなく真の竜となった姿だ!」
「ミセタルシ。偽竜の司令官と真の黒竜のチームワークヲ、ダシ!」
「グオォウ!」
ドラゴンのテラスタルジュエルを輝かせながらホムラは大きな咆哮を上げた。