スグリが拳を固く握りながら警戒する中、シュリはヒレを組んだ。
「サテ、ココカラガショウネンバダシ。にほんばれノコウカモソロソロキレソウダカラ、サンパワーニタヨルノモムズカシソウダシ。サッサトショウブヲキメルノガヨサソウダシ」
「そうだね。でも、スグリ君達だってそれはわかってるはず。だから、どうにかして隙をつかないと……」
「スキ、ダシ……」
シュリはヒレを顎に当てると、何かを思い付いた様子で頷いた。
「ユウ、ココハチョットシュリニマカセルシ」
「わかった。お願いね、シュリ」
「ガッテンダシ! ホムラ、マズハトビアガルシ!」
「グォウ!」
ホムラが翼を羽ばたかせながら浮き上がる中、スグリはカミッチュに指示を出した。
「させないべ! カミッチュ、みずあめボムで動きを止めろ!」
「カミッ!」
カミッチュが口からみずあめボムを吐き出そうとする中、シュリはニヤリと笑った。
「ソノカンガエハアマイシ。アメチャンヨリモアマイシ。ホムラ、クチヲオオキクアケルシ!」
「グォ!」
ホムラが口を開けると、カミッチュからみずあめボムが発射され、それを見たシュリは大きな声を上げた。
「イマダシ! ホムラ、みずあめボムヲタベルシ!」
「なっ……!?」
スグリが驚く中でホムラは飛んできたみずあめボムを口に入れ、そのまま口を閉じた。その瞬間、みずあめボムがホムラの口の中で爆発したが、ホムラは口を閉じきり、軽く咀嚼してから至福そうな表情を浮かべた。
「グォ……」
「ウンウン、ウマソウデナニヨリダシ」
「な、なんだべそのやり方……そんなの聞いた事ないべ!」
「ホムラハヒメグマノテニシミツイタミツスラクイツクホドノアマトウダシ。コウゲキトハイエ、アメナラタベルトオモッタラオオアタリダッタシ」
「後でしっかりと歯を磨いてあげないと……」
「ポンポンガイタイイタイナノモコマルケド、ハガイタイイタイナノモオイシクショクジデキナクテコマルカラシュリモシッカリハミガキスルシ。サテ、ソレハサテオキ……ホムラ、オオゾラニマイアガルシ!」
「グオォ!」
スグリが呆気に取られている間にホムラは舞い上がると、それを見たスグリはハッとした。
「ボーッとしてる場合じゃない……! カミッチュ、りゅうのはどうだ!」
「カミ!」
カミッチュがりゅうのはどうを放つと、シュリは落ち着いた様子で指示を出した。
「ホムラ、スイスイトンデカワスシ!」
「グォ!」
指示に従ってホムラがりゅうのはどうを避けると、スグリは焦った様子を見せた。
「当たれ、当たれよ……! お願いだから、当たってくれよ!」
「オネガイサレタッテアタッテヤルキハナイシ。ホムラ、タイヨウヲセニスルシ!」
「グォウ!」
ホムラが太陽の前に移動すると、それによって辺りは少し暗くなり、太陽の光を吸収するかのようにホムラは力を溜めた。
「……この一撃で決めるよ、シュリ!」
「ガッテンダシ、ユウ!」
「「りゅうのはどう!」」
「グォ!」
口を大きく開けたホムラからりゅうのはどうが放たれると、それを見ながらスグリは声を震わせた。
「嫌だ……鬼さまは、オーガポンは……! 俺が、“おれ”が一緒にいたかったんだ……! カミッチュ、りゅうのはどう!!」
「カミ!」
迎撃する形でカミッチュはりゅうのはどうを撃ったが、それは非情にもホムラからはやや外れ、ホムラのりゅうのはどうがカミッチュを包み込んだ。
「カミ……!」
「カミッチュ!」
カミッチュとスグリの声が響く中、カミッチュは目を回しながら倒れ、スグリは目から一滴の涙を流してその場に膝をついた。
「……僕達の勝ちだ、スグリ君」
テラスタルを解除したホムラが舞い降りた後、明るくなっていく中でユウの哀しげな声がその場に響いた。