翌朝、シュリを頭に乗せたユウはハルトと共にアカデミーの食堂へ向かうために廊下を歩いていた。
「ふあ……やっぱり朝は眠たいなあ……」
「起きたばかりもそうだけど、ご飯を食べた後も眠くなるし、うっかりしているとすぐ眠っちゃいそうだね」
「ソノキモチハワカルシ。タダ、チャントマナバナイトバトルデツヨクナレナイシ。キョウカラキッチリベンキョウスルシ」
「はーい……」
シュリの言葉にユウは少し憂鬱そうに答え、ハルトはそんな二人の様子を見てクスリと笑った。そして二人はそのまま歩き、食堂に到着した。すると、そこにはペパーの姿があり、ユウ達は賑わう食堂の中を歩いてペパーに近づいた。
「ペパー先輩、おはよう」
「ペパー、おはよう」
「オハヨウダシ」
「ああ、お前達か。おはよう」
ユウ達に気づいたペパーは微笑みながら挨拶を返す。すると、ペパーの手の中にあった本にユウは気づき、不思議そうに指をさした。
「ペパー先輩、その本は?」
「ああ、これか。これはジェイドブックっていう本で母ちゃん達が持ってた代物なんだ」
「ジェイドブック…どんな本なの?」
「未知の存在が写った写真やスケッチが載ってる本で、世間ではオカルト本の一種として扱われてる物だ。ただ、これ自体は探検記でパルデアの大穴って呼ばれてるところを踏破した際の記録が書かれてるんだ」
「大穴……」
ユウが少し怖がる中、ペパーは頷いてからジェイドブックを開いて見せた。
「このヘザーって人が探検隊の一員として大穴を探検してたみたいだ」
「因みに、その大穴はどこにあるの?」
「学校から北に行った辺りだ。ただ、大穴への立ち入りは校則で禁じられてるし、そもそも危険な場所だから近づかない方が良いな」
「ソウスルシ。ソレデ、ペパーハゴハンモタベズニズットソレヲヨンデタノカシ?」
「ああ。実はちょっとこの中で一番気になってる箇所が──」
その時、食堂にはアオイとネモが入ってきた。
「あ、男子組。おはよう」
「おはよう、みんな」
「二人とも、おはよう」
「オハヨウダシ。チナミニ、シュリハメスダシ」
「あ、そうだったんだね。みんな、今から朝ごはん? 良かったら一緒に食べようよ!」
ネモの言葉にペパーは少し考えてから頷く。
「そうだな。お前達にはちょっと話したい事があるから、せっかくだし食べながら聞いてもらうとするか」
「キイテモライタイコト…シカタナイカラキイテヤルシ。カンシャスルシ」
「もう、シュリったら……」
「ははっ、感謝くらいしてやるさ。よし、それじゃあ飯にしようぜ、俺もなんだかんだで腹ペコちゃんだしな」
ペパーの言葉にユウ達は頷いた後、席取りをする組と注文をしに行く組で分かれ、それぞれ行動を始めた。