ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第二百八十話

「ぽにおーん!」

「……なんだかオーガポンがより気合いが入ってる気がする」

『そりゃあそうだよ。だってあのいしずえのめんはお面の中でも思い入れの深い物だもん』

「思い入れ?」

『鬼ちゃんはあの面を被って当時一緒にいた人間とお祭りに行ってたんだ。その人間はみどりのめんを被ってたから、そっちも本当に思い入れはあるしね』

「ダッタラ、アノヨウスモナットクダシ。ケド、ダカラトイッテテヲヌイタリシナイシ。ユウ、スグリ、カマワズイクシ!」

 

 

 シュリの言葉に頷いた後、二人は指示を出した。

 

 

「ミカヅチ、なみのり!」

「ニョロボン、アクアブレイクだ!」

「ピッカ!」

「ニョロ!」

 

 

 二匹は同時に技を繰り出した。そして技が当たる寸前でオーガポンは素早く避けると、ツタこんぼうを地面に叩きつけた。すると、地面は大きく揺れ、ニョロボンが耐える中でミカヅチはその場に転んだ。

 

 

「ピカッ……!」

「ミカヅチ!」

 

 

 ユウの声が響く中、オーガポンは素早く動くと、ミカヅチをツタこんぼうで殴り付けた。

 

 

「ピカ……!」

「ミカヅチ……!」

「……アガッテルコウゲキリョクトピカチュウジタイノタイキュウリョクノウスサテキニコレハ……」

 

 

 シュリが俯く中、ミカヅチは仰向けで倒れながら目を回し、ユウは悔しそうにしながらミカヅチをモンスターボールに戻した。

 

 

「ありがとう、ミカヅチ。さて、次は……」

「ユウ、ホムラを出してくれるか?」

「え、ホムラ? それは良いけど……」

「ナニカカンガエガアルンダシ? タシカニいしずえのめんヲカブッテルコトデブツリボウギョリョクヲアゲテソウダカラトクシュコウゲキガシュタイノホムラハワルクナイセンタクダシ。ケド、テラスタルガイマハツカエナイカラ、タイプテキニフリニナルシ、ホムラガトクイトシテイルヒザシガツヨイジョウタイハせいちょうガツカエルオーガポントシテモノゾムトコロダシ?」

「それはわかってる。けど、頼む。おれを信じてくれ」

「スグリ君……」

 

 

 自分を見つめるスグリに対して頷いた後、ユウはモンスターボールのスイッチを押した。

 

 

「行くよ、ホムラ!」

「グオォ!」

 

 

 モンスターボールからホムラが飛び出して鳴き声を上げていると、スグリはモンスターボールを取り出してスイッチを押した。

 

 

「戻ってくれ、ニョロボン」

 

 

 モンスターボールにニョロボンが戻ると、スグリは別のモンスターボールを取り出した。

 

 

「出番だ、ダーテング!」

「ダーテ!」

 

 

 ダーテングが現れると、シュリはヒレを組んだ。

 

 

「ダーテングカダシ。コノポケモンモハレノホウガツヨイポケモンダシ」

「その通りだ。けど、それだけじゃねぇ。ダーテング、にほんばれだ!」

「ダーテン!」

 

 

 ダーテングが両手を広げると、降っていた雨は一瞬にして止み、太陽の日差しがユウ達を照らし始めた。

 

 

「ぽに……」

 

 

 オーガポンは太陽を見上げると体に力をこめ始めたが、それを見たスグリは指示を出した。

 

 

「今だ! ダーテング、ちょうはつ!」

「ダーテ!」

 

 

 ダーテングは舌を出しながらバカにしたような顔をし始め、それを見たオーガポンは体に力をこめるのを止めて地団駄を踏み始めた。

 

 

「ぽに! ぽにお!」

「ナルホドダシ。ちょうはつヲツカウコトデせいちょうヲトメタワケダシ。ケド、マダモンダイハカイケツシテイナイシ」

「まだまだ! ダーテング、おいかぜ!」

「ダーテン!」

 

 

 ダーテングの声と共にユウ達の背後から強い風が吹き始めると、ユウは笑みを浮かべながらスグリを見た。

 

 

「そっか! おいかぜがあればオーガポンよりも速く攻撃が出来るし、ホムラが風に乗ってより自由に空を飛ぶ事が出来るね!」

「それに、ダーテングの特性はかぜのり、おいかぜが吹いてると攻撃力が上がるんだ! ユウ、後は任せた!」

「うん! ホムラ、空に舞い上がってからソーラービーム!」

「グオ!」

 

 

 ホムラは翼を羽ばたかせて空に舞い上がると、太陽の光を吸収してそれを光線としてオーガポンに発射した。

 

 

「ぽに……!」

 

 

 ソーラービームが命中したオーガポンはどうにか耐えようとしたが、その威力を前に膝をつき、いしずえのめんのテラスタルは解除された。

 

 

「ダイサンラウンドモクリアダシ!」

「うん! 後はみどりのめんだけなんだけど……」

 

 

 ユウが辺りを見回していたその時だった。

 

 

「……どうやら間に合ったようだな」

 

 

 そう言いながらユキノシタがブライアと共に現れると、スグリはユキノシタに視線を向けた。

 

 

「じーちゃん、直ったんだな」

「ああ、バッチリだとも。オーガポンさま、お待たせいたしました」

 

 

 ユキノシタがオーガポンにみどりのめんを手渡すと、オーガポンは子供のように喜び、それを被った。そして再び水晶に包まれ始めたが、その力の余波はすさまじく、オーガポンを中心に強い衝撃波が発生し始めた。

 

 

「くっ……!」

「これは他の三つとは比べ物にならねぇべ……!」

「ソレダケツヨイオモイデガチカラヲアタエテルッテコトダシ……!」

『おー、これはあの人間との思い出が力を与えてる感じだね。さあ、早速始めていこうか、最後の一戦を』

 

 

 その言葉と同時に水晶は砕け、みどりのめんをテラスタルさせたオーガポンが現れた。

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