「サテ、ソレジャアキュウケイツイデニチョットハナシヲスルシ」
公民館の広間に着き、ユウたちが円になって座ると、シュリは口を開いた。
「ともっこノケントオーガポンノケンハブジニカイケツシタシ。ダカラ、アトハユウチームトゼイユチームノオリエンテーリングヲオワラセルダケダシ。ホントウハユキノシタニけっしょうのかけらヲワタシタライクヨテイダッタケド……」
「……私がてらす池で採取した水や結晶の欠片によってともっこたちが目覚めてしまったのだったね。それについては反省しているよ。引率者でありながら研究に熱を入れすぎていたと思っているし、君達がすぐに対応してくれなかったら色々大変な事になっていただろう。みんな、本当にありがとう」
「本当に今後はしっかりしてくださいよ。それで、今日の内にオリエンテーリングは終わらせたいけど、ともっこ達が言ってたモモワロウっていうのも気になるわね」
「それなら先に桃沢商店に行こう。ユウはここで休んでて」
「ううん、僕も行くよ」
「え、でも……」
ネモが不安そうにする中、ユウはにこりと笑う。
「実はあまり疲れてないんだ。何故かはわからないけど、体の奥から力が湧いてくる感じがして、もっと頑張りたいって思うんだ」
「疲れてないなら良いけど……シュリ、何かわかる事はない?」
「スイショウノヨウナメニ、チカラガオクカラワイテクルカンジ……マルデユウガテラスタルシテルヨウダシ」
「テラスタル!?」
ブライアが思わず立ち上がりかけ、ゼイユがブライアを一睨みする中、ネモは心配そうな目でユウを見る。
「ねえ、やっぱり一度ミモザ先生に診てもらおうよ。今は大丈夫かもしれないけど、何かあってからじゃ遅いよ」
「うん、アカデミーに帰ったらそうするね。よし、それじゃあ桃沢商店に行ってみよう。ブライア先生はどうしますか?」
「まだ色々あって混乱してるだろうし、とりあえず村の人達と今回の件について話をするよ。私も引率の教員だからね」
「わかりました。みんな、行こう」
ネモ達が頷いた後、ユウ達は公民館の外に出た。そして桃沢商店に着くと、店主の老女はユウ達に向けて笑みを浮かべた。
「おや、いらっしゃい。さっきの勝負、観ていたよ。本当に見応えのある物だったねぇ」
「ありがとうございます。それで、そこにある桃のような置き物なんですけど……」
「ああ、この
「え、良いんですか?」
「先祖が拾ってからずっとあるけど、飾っているだけになっていたからね。だから、必要な物なら持っていって良いよ」
「ありがとうございます! よーし……ハルト、アオイ、ともっこ達を出してあげようか」
ハルトとアオイが頷いた後、三人はモンスターボールのスイッチを押した。そしてともっこ達は現れると、不腐の桃を見て目を潤ませた。
『ぼ、坊っちゃん……!』
『ようやく……ようやく見つけやした……!』
『うぅ、坊っちゃん……』
ともっこ達は泣き崩れ、ユウ達はその姿に微笑みを浮かべる。
「本当に会いたかったんだね」
「ソウミタイダシ。トコロデ、モモワロウハウゴカナインダシ?」
『コイツ、今はおねんねしてるからね。しばらくはこのままぐっすりでしょ』
ミュウツーと共に現れたシンが言うと、ユウはモモワロウを優しく撫でた。
「それじゃあ今は眠らせてた方が良いね。シンとミュウツーはどう思う? 特にシンはだいぶ警戒してたようだけど」
『ボクはユウが良いなら別に何も言わないよ』
「我も特に言う事はない」
『けど、コイツが起きて色々し出したら厄介な事になるからね。それだけは覚えておいてよ?』
「うん、わかった。よし、モモワロウも見つかったし、今度はオリエンテーリングに──」
『じいじ……ばあば……どこぉ……』
「え?」
モモワロウにユウが視線を向けると、ネモは首を傾げる。
「どうしたの? モモワロウが何か言った?」
「……シュリは何か聞こえた?」
「キコエナカッタシ。ダカラ、ツヨイオモイヲカンジトッタンダトオモウシ」
「……うん、そうだね。イイネイヌ、たしか君がモモワロウと一番長くいたんだよね? じいじとばあばっていうのがモモワロウを可愛がっていた人達で間違いない?」
イイネイヌは表情を暗くしながら頷く。
『その通りで。もしかして会いたいって仰ってやしたか?』
「探してるようだったし、今にも泣き出しそうだったよ。でも、その人達はもう……」
「トキノナガレハザンコクダシ。ユウ、モモワロウガメザメタトキハカクゴシトクシ」
「うん、もちろん。よし、それじゃあ今度こそ行こうか」
ネモ達が頷いた後、ともっこ達を一度ボールに戻し、ゼイユとスグリの案内に従ってそれぞれのライドポケモンで移動し始めた。