出発から数十分後、楽土の荒地に着いたユウ達はそれぞれのライドポケモンから降りると、ゆっくり看板に近づいた。
「これが三つ目の看板……ここでも課題をやるんだよね」
「僕達はそうだったけど……」
「あんな事があったわけだし、今は流石にやってる暇はないんじゃ……」
「ようやく来たか、君達」
「え?」
ユウ達が振り返ると、そこには黒いキャップに黒の衣服といった出で立ちの男性がおり、その男性の姿を見たゼイユとスグリは笑みを浮かべた。
「ムラマサさん!」
「ムラマサさんは鬼面衆の事を色々教えてくれる人なんだ。けど、どうしてここに……」
「鬼面衆達から課題の担当の代役を頼まれたんだ。鬼面衆を乗り越えた者達の前に立ち塞がる最後の試練をな」
「最後の試練……」
「そう。鬼面衆と同様に歴史の真実を口伝によって残し、名だたる強者である鬼面衆達に認められたものの前に現れる者。それこそが……」
ムラマサは取り出した鬼面を静かに被った。
「
「う、裏鬼面衆……!?」
「それじゃあ他にも六人裏鬼面衆が……!?」
「否、裏鬼面衆は某のみだ。さて、それでは課題の発表に移ろう」
「は、はい……!」
「汝らに与える課題は……」
ムラマサはユウ達を見回してから口を開いた。
「某を納得させる。それが最後の課題だ」
「……え?」
「納得させるって……ど、どういう事だ……?」
「言ったままだ。どんな事でも良い。某を納得させてみろ」
「ど、どんな事でもって……ハルト達の時はどうだったのよ?」
ゼイユが困惑する中、ハルト達も困惑していた。
「僕達の時は違ったよ……」
「うん、用意された食材を使って指定された郷土料理を作る課題だったから」
「正直、ユウにはピッタリだと思ったから楽勝だって考えてたんだけど……」
「まさかこんな課題になるとは……」
ユウ達の様子にムラマサは静かに口を開いた。
「料理の課題でもよかったが、その腕はカネチカ達を通じて聞いており、今回の一件での活躍についても知っている。だからこそ知りたいのだ。汝らが何を考え、何をもって他者を納得させるのか」
「何を考えて、何で他人を納得させるか、か……」
ユウは少し考えた後、ネモとゼイユに視線を向けた。
「ネモ、ゼイユさん、少しお願いがあるんだけど良いかな?」
「え、良いけど……」
「何か思いついたの?」
「うん」
ユウは答えると、モンスターボールを構えた。
「僕達とここでバトルをしてほしいんだ」