『いただきます』
数分後、それぞれの朝食がテーブルに並び、声を揃えていただきますを言った後、ユウ達は朝食を食べ始めた。
「……うん! 昨日も思ったけどすごく美味しい!」
「でしょ? ウチの食堂の料理はすっごく美味いの。だから、生徒だけじゃなく先生達からも大人気なんだ!」
「俺も色々勉強になるところはあるから、食べに来る事が多いが、たしかに味や盛り付け方は一級品だと思うぜ。さて、それじゃあそろそろさっき言おうとした話をさせてもらうが、その前にネモとアオイにもこれを見てもらうか」
そう言うと、ペパーはジェイドブックを二人に見せる。
「これ……ジェイドブックじゃん! アカデミーの図書館の本棚にもある本だよ」
「ああ、そうだな。だが、見てほしいのはこっちなんだ」
「なんだかスパイスがどうのって書いてるけど……」
「そうだ。これは秘伝スパイスっていう物で、ヘザーが持ち帰ってパルデア地方の各地に植えたらしいんだが、俺はコイツをちょろまかそうと思ってんだよ」
ユウ達が驚く中、シュリは秘伝スパイスのページを見ながらペパーに話しかけた。
「チョロマカスッテ、モシカシテヌスムッテコトダシ?」
「拝借するって言ってくれ。それに、この秘伝スパイスは別に管理してる人間がいるわけじゃねえんだ」
「どういう事?」
「ここにも書いてるんだが、この秘伝スパイスを栽培しようとした時に野生のポケモンが喰っちまってそのポケモンが巨大化しちまったみたいなんだ。それで、退散した事で秘伝スパイスはその野生のポケモンが一人占めしてるわけだな」
「巨大なポケモン……ペパー、その秘伝スパイスを食べたポケモンって強いのかな!?」
「……生徒会長、ステイ。まあ強い事は強いと思うぜ? なにせそのポケモンは世間ではヌシポケモンって呼ばれてるようだからな」
ペパーの言葉にネモが目を輝かせる中、シュリが表情を曇らせていると、ユウは不思議そうに首を傾げた。
「シュリ、どうしたの?」
「シュリハソノウチノイッピキニココロアタリガアルシ」
「……だろうな。スパイスがある場所の一つが、シャリタツが生息しているオージャの湖だからな」
「え、そうなの?」
「ああ、それぞれのヌシには異名がつけられてるんだが、オージャの湖のヌシは偽竜のヌシって呼ばれてるようだ」
「偽竜のヌシ……シュリ、もしかして……」
ユウの言葉にシュリは静かに頷く。
「……ソウダシ。オソラク、シュリタチノリーダータチガ偽竜のヌシダシ」